第5話 お金を稼ぐ
その日の夕方、ハヤトはしょんぼりして家に帰りました。途中、あの丘で長老さんに出会いました。
「こんにちは、長老さん」
「おお、ハヤト君か、こんにちは」
「ここで何をしているのですか?」
「夕焼けを見ていたんじゃよ。ここから見る夕焼けはとてもきれいじゃからのう」
長老さんがそう言うと、ハヤトは、西の空に目を移して静かに夕焼けを眺めました。
「ん? どうしたハヤト君? 元気がないのう」
ハヤトは、飛行機の設計図が完成したが、お金がなくて材料が買えなくて困っていることを話ました。
「なるほど、そういうことだったのかい」
「長老さん、私はどうしたら良いのでしょう?」
「お金が必要なら、これまで以上に働くしかないのう」
「でも私の畑は小さいのでどんなに働いてもそんなに多くの野菜は取れません」
「それなら、別の仕事を探すのじゃ」
「別の仕事をですか?」
「そうじゃ、確か村の牛乳屋のマークさんと、レストランのミルコシェフが、人手が欲しいと言っていたよ、それと、最近五つ子が生まれたジェニーさんのところも、子供の世話が大変で誰手かに手伝ってほしいと言っておった」
それを聞いたハヤトは、目を大きく見開きました。
「牛乳屋のマークさんと、レストランのミルコシェフと、五つ子を生んだジェニーさんだね、今から早速行って働かせてもらえるようにたのんでみるよ! ありがとう長老さん!」
そう言うとハヤトは、村の方に走って行きました。
(ハヤト君、頑張るのじゃぞ)
長老さんは心の中でそう思いながらハヤトを優しく見守っていました。
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