第4話 飛行機作り

 次の日から二人の飛行機づくりの研究が始まりました。


 ハヤトは、いつもよりも早く起きて、できるだけ早く畑仕事を終えると、ポール博士の家に急ぎました。


 ポール博士の家では、ハヤトはポール博士から飛行機のしくみを教えてもらいながら、いろいろな飛行機を考えて、その小さな模型を作りました。そして、作った模型を外で飛ばす実験を行いました。


 ハヤトは、夕方までポール博士の家で飛行機作りの研究を行い、家に帰ってからも夜遅くまで、博士から借りてきた飛行機に関するいろいろな本を読んで飛行機のことを調べました。


 こうやってハヤトは、毎日毎日、飛行機作りの研究をつづけました。初めのうちは、作った模型は全然飛ばず、失敗ばかりでしたが、試行錯誤しながら研究を進めるうちに、模型の飛行機が少しずつ遠くに飛ぶようになりました。


 ハヤトは、何十、何百という飛行機の模型をつくっては飛ばすという実験を繰り返しました。そしてとうとう、遠くに飛ぶことのできる人力飛行機の模型を作りあげて、その設計図を完成させることができました。


「見て下さい。ポール博士、飛行機の設計図ができました!」


「ハヤト君、よく頑張りましたね。この飛行機ならきっと空を飛ぶことができるでしょう」


「ありがとうございます、ポール博士。早速本物の飛行機をつくりましょう!」


 ハヤトはとても嬉しそうに言いました。


 しかし、ポール博士は何か浮かない顔をしています。


「ハヤト君、飛行機を作るための材料が足りない」


「材料が足りない?」


「そうなんだ。飛行機を作るには、もっともっとたくさんの材料が必要で、この家にある材料だけでは全然足りない」


「それでは、その材料を手に入れるにはどうしたらいいのですか?」


「材料を手に入れるには、それを買うためのたくさんのお金が必要なんだ。でも、私はそんなにたくさんのお金を持っていない。ハヤト君、君はどうかね?」


 ハヤトは自分の畑で取れた野菜を売って暮らしていましたが、野菜を売って得られるお金はわずかで、蓄えもほとんど有りませんでした。


「いいえ、私もお金を持っていません」


 ポール博士とハヤトは、とても困ってしまいました。

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