第3話 ポール博士
次の日曜日、ハヤトは再び隣町に出かけて、ポール博士という人の家を訪ねました。
ピンポーン!
ハヤトがポール博士の家のチャイムを鳴らすと、
「はいはい、どなたですかな?」
メガネをかけて、髪の毛をぼさぼさに伸ばしが白衣姿の男性がドアを開けて出てきました。
「こんにちは、あなたがポール博士ですか?」
「いかにも、私がポールだが」
「はじめまして、ポール博士、私は隣村に住むハヤトという者です」
「私に何か御用ですか?」
「ポール博士、私に飛行機の作り方を教えて下さい」
「飛行機の作り方だって?」
ポール博士は、少しびっくりした様子でいいました。
「どうして、飛行機を作りたいのかね?」
「私は飛行機に乗って空をとびたいのです。でも私は飛行機の作り方を知りません。博士なら飛行機の作り方を知っていると思ってここにきたのです」
「私は飛行機がどうやって空を飛ぶのかということについて知ってはいるが、実際に飛行機を作ったことはないのだよ」
「それでは博士は、飛行機の作り方を知らないのですか?」
「せっかくきてもらったのにすまないね」
「それでは、他にこの町で飛行機の作り方を知っている人はいませんか?」
「この町には、飛行機を作ったことのある者はいないよ。だから飛行機の作り方を知っている者もいないよ」
「そうですか……」
ハヤトは、とても残念でした。やはり自分には空をとぶことなんてできないと思いました。がっくりと肩を落とし、帰ろうとするハヤトを見てポール博士が言いました。
「ふーむ、作り方は知らないが、作り方をいろいろと研究することはできるかもしれない。ハヤト君といったね? どうかね、私と一緒にやってみるかね?」
その言葉を聞いたハヤトは、再び元気を取り戻しました。
「もちろんです! ポール博士、よろしくお願いします」
ポール博士という心強い協力者ができたことによって、これまで感じたことのない何かが、ハルトの胸の中で騒ぎ始めました。
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