第61話 家族の絆

目の前の化け物、聖騎士ルークの成れの果て。

エスティアナ家の人間たちはルークを見て発狂している。


「貴族にも我が子を想う気持ちがちゃんとあるなんて知らなかったな」


エスティアナ家当主のルーベルト・フィンクス・エスティアナ、そしてその一族たちの手足を縛りイモムシのように地面に転がっている。


貴族が地面に這いつくばっているのを見るのは心地いい。


「ルーク、君の為に観客を用意したんだ。戦いを楽しもう」

「コノ、クゾヤドウガ」


単調な攻撃、殺気丸出しのわかりやすい剣筋。

剣と合わせて暴力的な蹴りも混ぜてくるあたりが聖騎士としての誇りもクソもない。


「聖騎士が己の剣をも忘れて乱暴な蹴りをするなんて、よほど僕が憎いらしい」

「ルーク!目を覚ませ!己の剣を思い出せ!」


お父様の声も虚しく一向に当たらないルークの剣。

まるで子供のチャンバラを見ているようで滑稽だ。


「ルーク、お父様に失望されているぞ?いいのか?」


ルークの雑な一撃を躱してボディに1発。

怯んだ間に僕はルークの母を持ってきた。


「や、やめろ!」

「い!いやぁ!」

「ルーベルトさん、このメス貰ってくね」


さあ、ルークはどんな反応をするのだろうか。


「アアアアアア!」


牛のように猪突猛進するルークをヒラリと躱した。

振り返って剣を振りかざしたルークに合わせるように僕は抱えたルークママをあてがった。


「マーネ!」


マーネと呼ばれたルークママは右肩から腰に掛けてバッサリと斬られてビクビクと震えた。


「……ゴロズ、ゴロズ、ゴロズゴロズゴロズ」


自分の母親斬ったの認識してなくない?つまんないな。

不意に我に返って発狂して欲しかったんだけど。


仕方がないので僕はルークの攻撃を躱しながらマーネの怪我を治して斬らせてを繰り返していた。


「やめてくれ……頼むから、やめてくれ」


実験がてら首を落とさせてすぐに回復魔法をかけて復活させてみたりと中々に有意義な実験になった。


「首落としてもすぐに治せば使えるんだな。勉強になったよ」


マーネの身体の1部がいくつも落ちている。

斬られる度に悲鳴をあげて気絶するマーネを治して盾にする度に眼が死んでいくのがわかった。


「身体を治しても、痛みで心が壊れるのか」


まあ、自分の子供に何度も切り刻まれているのだからしょうがないのか。


「そろそろ次に移るかな」


マーネを捨ててルークに魔力を込めた一撃を喰らわせた。

思いのほか頑丈な為に何度も殴った。


「やっと正気に戻ったな」


全身ふらふらで立っているのもやっとのルーク。

そうして目の当たりにした自分の母の残骸を目にしたルーク。


「母様……なんで……」

「なんでって、お前が殺ったんだろ?ルーク」

「ち、違う……俺は……」

「自分でわかるだろ?自分の太刀筋くらいさぁ」


ルークの髪を引っ張りながら残骸の側でよく見えるように見せた。


そうしてルークは自分の顔を隠すように手で覆って叫んだ。


「まだ、終わってないよ、ルーク」


僕はルークの身体の骨を折って舌をルークの剣で切り落として、それからキャンベルを呼んだ。


「レナードから借りたゴブリン達だ。殺させるなよ?」

「ああ。むしろご褒美だよ」


満身創痍で腕もろくに上がらないルーク。

そしてルークの家族。

ルークの母は死んでしまったので、ルークの妹2人が犯されるのをルークと当主の2人でご覧頂こう。


「や、やめるんだ、クロム……」

「ん?なんで?」

「……私の、家族、なんだ……」

「だからなに?みんなだいたい誰かの家族だよ?君のならダメなの?同じ人間だろう?」


僕は当主の前に立ち、よく見えるように寄せてやった。


「さぁ御当主様、ご覧下さいませ」

「この悪魔!!」

「この様を悪魔と呼ぶなら君たち全員悪魔さ」


泣き叫び、愛する人の名を呼び、喘ぐ。

何匹も群がって味わっているのはどこか気持ちが悪い。


「勇者パーティーの聖騎士様が自分の家族を守れず、それどころか目の前で妹2人が犯される様を見学してるなんてね〜」

「……やめてくれ……頼むから……クロム様……」


くちゃくちゃな顔で泣きながら当主は僕をそう呼んだ。


「クロム様って誰かな?僕はそんな『様』を付けられるような身分じゃないよ?僕は田舎者、村出身の元回復術師のクロム。グラルバニア王国の3大貴族のエスティアナ家の方に『クロム様』なんて呼ばれる者ではありませんよ?ねぇ?」


屈辱の末に呼んだのだろうけど、別に呼べと命令なんてしてないし。


「ルーク様、御当主様、もっとよく見えるように致しましょう」


そうして僕は2人を抱えて犯されている妹2人の頭上で待機した。


「ほら、よく見ろルーク、お前の妹の中に入ってるじゃないか?ははっ!全部の穴制覇じゃないか?!良かったなぁ!」


エスティアナ家の奴らは声が枯れるまで叫んでいた。

そうして何度も犯されて死んだ妹2人の後にルーク当主を殺した。


辺りにはオスとメスと、血の匂いが漂っていた。


「……ルークと当主が死ぬ前に犯させればよかったかな?」


まあいいか。

まだメインが残ってる。


「待ってて、アルト」


もう少し、もう少しで終わるから。

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