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Facebookの書き込みを慌てて消しにいったがすでに数件コメントがついていた。
私は「かんちがいしちゃったあ(´∀`*)」 と適当にごまかし、睾丸がんになった男性からの「なるだけ早く受診して下さいね」のメッセージに了解です!とだけ書いて書き込みにコメントした人が読むまで待った後消した。
吐き気は異常だった。精神科の方(こちらも本当は受診したくはないのだけど非常にいい先生を見つけ、薬を飲まないと眠れないため、作家であるが故の愚痴を話すため通っているので気楽であるし、以前川崎で通ってたとこと一緒だけど路線が一緒なので30分程度で着くので1ヶ月に一回のそれは私が外に出る理由にもなり、病院ではなく、先生と話するために行っているようなもので気楽であった)
でもらった吐き気止めを飲んでも止まらなかった。
ポカリスエットなら、と思って起きてすぐ飲んだら即吐き気が来て、前日ほとんどご飯を食べていなかったためか、何も吐けなかったけれど白い泡状のものとよだれとが口から便器に落ちていった。
牛乳なら…と私は冷蔵庫に入っていた牛乳(こどもの頃から他の家の子におかしいと言われてはいたけどカフェインに非常に弱い私はご飯に牛乳・と言うのは給食もそうだったしうちでは当たり前のことだった)をパックごと出して賞味期限を確認し、ちょびちょびと200mlくらいだろうか?飲んだ。
平気かな?牛乳は飲み慣れているけれど、ポカリで吐いたくらいだからと警戒してはいたものの、やはり200ml近く飲んだところで猛烈な吐き気がきた。
結局便器に白いものをほぼ全部出しながら私は「あ!」と思った。
この吐いた記憶、これは昔にもある。
腸炎じゃないか!
なんだ!!私は笑ったが、腸炎はそれはそれでキツい。
その頃同居人と別の部屋で作業をしていた。最初に書いていたシナリオの仕事が終わり、作家業(とはいえノベライズだが)で忙しく、お互い何をしているのかもわからない状態だった。
昼ごろお腹がすいた。同居人が動いてる気配を感じ「コンビニ行くのー?」と聞くと「うん」と言うので500円渡して、
「あの…えーっと200円くらいのチューブで吸う…栄養ゼリーみたいなの、わかる?
あれの…なるべく味が薄そうなやつを2個買ってきて欲しいんだけど」
「OK、どうしたの?」
「うーん、お腹の調子良くなくて…ご飯食べられそうにない」
同居人とは共働きにあたり、どちらかというと私の方が家賃負担などが軽かったため、ご飯の用意は私の仕事になっていたが忙しさといえば私の方が上なので、平日はおかずのみの宅食をとっており、ご飯は切らさないようにし、冷凍庫には200円程度で買える冷凍パスタが入っていた。(パスタを茹でる手間からすると合理的で安すぎる)
土日は宅食が来ないので、カレーなど作り置きできるものを簡単に作っていた。
もともとアメリカ的合理スタイルが好きな同居人はそれで構わない、ただし君の料理の方がうまいねとは言ってくれたが、忙しい私のことは自分もライター(なんのライターだかも知らないが、多分やけにサッカーを見ているのでスポーツライターか何かなのだろう。お互いいろんな守秘義務があるのでお互いのPNさえ知らないような有様なのだ)だからわかってくれていた。
なので米の買い置きだけは切らさないよう、ご飯が炊けている状態を常に保つようにはしていた。
同居人は4Fの我が家から降りて行き、徒歩30秒(階段を降りる時間の方が長いのだ)のコンビニで「速攻元気」と書かれたゼリー状のドリンクを2つ買ってきた。
「速攻元気」になるのは無理だけど、彼らしいな、とちょっとクスリと笑った
「なに?」
「いや、別に ありがとう」
「うぃ」
同居人は部屋に戻っていった。
良かった、とは思ったがここからが苦しかった。
腸炎は早く気づけば例の「ブスコパン」で良くなる。
が、勘違いにより悪化させてしまった後であった。下腹部が痛い。薬を飲む。あと3錠しかなかった。
「うー」
おなかがすいていた。
「速攻元気」を一本吸うとゆっくり!と言う意思とは別に一気に吸ってしまった。
腹が満たされることはないが、まだ昼過ぎ…あとポカリは常温(とはいえ冬だから冷たかったが)でゆっくり飲めば吐くこともなかったのでポカリをちびちびやりながら文章を打つのに集中した。
文章の方に集中していれば痛みもない。
原作者とのやりとりをしたりしているうちに夕方になった。
腸炎でももちろん空腹感はある。
お腹がすいていることに気付いた。
夕飯…寝るまでにお腹が減るだろうなあ…と思いながら「速攻元気」を飲む。
あ、そろそろ6時間は経ってるから…と思ったが他の用事が入り忘れていた。
次のブスコパンが飲めたのは寝る前の導入剤を飲むときであった。
空腹感はあったが仕方ないのでポカリで流し込む。
あと2錠しかない、と言うことは明日薬を買いに行かなくてはならない。
とりあえずホットアイマスクをして、その日は薬による作用で眠ることができた。
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