第1話「夏休み」
「キーンコーンカーンコーン」
鐘の音が鳴る。
今日は夏休み前の最後のテストの日。
クーラーのない蒸し暑い教室で
朝からテストを受けた。
先ほどのチャイムで中間テストは終わった。
今から待ち焦がれた夏休み。
「おーい海斗!早く帰ろうぜ。俺ちょー腹減った。ラーメンでも食いに行こ」
友人は僕の目の前に来ると早く帰りたいと急かす。
「こんなクソ暑い日にラーメンって。まぁ僕もお腹空いたから何か食いに行きたいわ」
「えぇーいいじゃん。俺はラーメンがいい!」
「いや、僕はうどんのほうが断然いいね。ざるうどんみたいな冷たいもんが食いたい」
友人と突如始まる昼ご飯戦争。
「仕方ねぇか。ここはじゃんけんで勝った方が昼飯を決めるってことでどうだ?」
そう提案を持ち掛けられる。確かにそれはシンプルでいいな。
「よしその提案乗った!じゃーんけーん…」
急にじゃんけんを仕掛ける。友人は急に来たからか焦って「お、おいっ」とグーを出す。
僕はというと、「パー。ってことで、昼ご飯はうどんだな」と挑発する。
「海斗、それはずりーだろ‼俺は焦ったらグーしか出せないことを知っているくせに」
「この提案を持ち掛けたのはオマエだろ?文句を言うならその癖を治せよ。そしたら僕に勝てる日がいつか来るさ」
ニヤニヤと顔を見つめる。悔しそうな顔で「仕方ないか…」と呟いている。
「まぁ今回は、許してやらんこともない。じゃあうどん屋に行くぞ」
「なんで負けた側が偉そうなんだよ」と顔をしかめるが、早く行きたいのか服をグイグイ引っ張られながら教室から出る。
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