第20話:腕試し
「随分、大きいところですね」
「でかいだけだ、行くぞ」
フェスタ運営って具体的にはフェスタを運営するってそのままなんだろうけど、なんでこんなに大きな場所なんだろう。
「ここだ、開けるぞ」
「はい」
運営の人たちって一体どんな人なんだろ
「ガチャッ!!」
そんな雑に開けて良いのか....
「連れてきたぞ、私の弟子だ」
「こ、こんにちは、」
この人たちが運営の方々、ていうか身なりの感じからしてトップか幹部の人たち。
「七草か、そいつが例の?」
「へぇー!その少年が!」
なんか皆んな思った感じと違うな、なんだろう一癖も二癖もありそうというか...
「はじめまして、早乙女司です。」
「どうも、司君、それじゃ、話をすすめよう」
あの人がこの中でのリーダーって感じなのかな
「私の名前は
「は、はい、正式に認可してもらって、本当に感謝してます、それで僕は何をすれば?」
顔を見せるだけなわけない
「決まってんじゃん、無能力者がどの程度か見てやろって事だよ、この雑魚ガァ!!!」
「
なんなんだこの人たち、確かに僕は無能力者だけれど、雑魚呼ばわりする人たちがフェスタ運営にいていいのか?
「じゃないと、お前が雑魚呼ばわりした少年の師匠に文字通り八つ裂きにされるぞ」
「次は....殺す。」
あんな師匠の表情、初めて見た、あれはただ怒ってるだけじゃない、憎しみがこもってる....
「師匠?あー、時代遅れの元フェスタ三冠王蛇さま?確かに強かったかもしれないけど、僕には勝てないでしょ....」
「殺す、と言った筈だ。」
速い、師匠なら、とは思うけど、僕の背後にいたはずなのにもうあの人の背後に....
「七草、すまない、私の顔に免じてこの世間知らずの悪態を許して欲しい、本当にすまない」
「ケッ、命拾いしたな」
良かった....本当にあの人のこと斬るかと思った。
「お、覚えとけ、必ず次は・・・」
「沙斬、私の言うことが聞かないのか?」
すごい殺気だ。
「お前はここから出て少し頭を冷やせ、悪かったね早乙女くん、君を呼んだのは腕試しだ」
「腕試し?」
というと、僕の実力を測るってことか?
「君の実力はこの目で見たし、そして君を正式に選手として登録した、けどこちらとしてはこの場で君の技量をもう一度計りたくてね、対抗戦も近いことだし、協力してくれるかい?」
「そう言うことなら、、、」
何かもっと深い今でもあるかと思ったけど...
「相手は誰にするんだ?あまり私の弟子を舐めるなよ?舐めていると大恥をかくぞ」
「俺が行こう」
あの人が僕の相手、すごく真面目そうだ、けどあの目、強い。
「それじゃあ移動しよう、早乙女君の相手は
「はい」
護道さん、あの人の使う刀、あれは異能だけじゃない、普段から鍛錬し、振り続けたんだ。
「それじゃあ始めようか、審判はそうだな、
「アイアイサー!」
こんな緩い感じで始まるのか、けどあくまでこれは腕試し、そんなに構えなくていいはず
「それじゃハジメ〜」
「ウォラァッ!!!」
なんだ、間合いでもないのに刀を急に振って...
「クッ....なんだこれ....。」
「ほう?坊主、俺の刃をよく避けたな」
この人の異能、厄介だ。
「ソレソレッ!!避けるだけかぁ?!」
これじゃ体力がもたない、この人の異能は多分、見えない斬撃を飛ばせるんだ、元々はなんらかの衝撃波を発生させるもの、それを刀に乗せて....
「俺の異能について考えてるみたいだな、だが、考えるだけじゃ勝てんぞ?」
そんなことない、無能力者の僕にとって相手の能力を考えることは重要だ、だけど、どうすれば、縮地で間合いを詰めて純粋な剣の勝負に持ち込むしか....
「ハァッ!!」
「おっと、すげぇな坊主、お前本当に能無しか?普通の人間にしちゃ速すぎるぜ」
この人も縮地は知らないみたいだ、なら突破口はあるっ....!
「ハァッー!!!」
「なるほどね、七草の弟子だけあって剣は上手いらしい、なら気がすむまで斬り合うか?」
そんなのごめんだ、この人の一振り、まるで大きな金槌で叩かれてるようだ、何か、あれば...
「少し疲れたか?坊主、それじゃ、大人気ないがそろそろ決めるぜ??」
「僕はまだまだ平気ですよ?」
言うほど体力は残ってないけど、この人の太刀筋は豪剣その物、しかし横からの攻撃が多すぎる、と言うことは縦や正面からの攻撃に弱い筈だ。
「お前さんにこれが受け切れるか?」
「どうでしょうね」
構えは上段、上手く受け流して突きを打ち込む、そうすれば勝機はある。
「行くぜ?・
お手本のような上段、けど少し何かおかしい、なんだこれ....
「上手く受け流したな?だが刀はどうだ?」
「ゼロ距離からあの斬撃を....?!」
刀から飛ばすんじゃなく、そのまま刀にぶつけた?これじゃ僕の羽々斬が手から....
「降参するか坊主、それともまだ斬られたいか?俺も能無しの人間を躊躇なく殺れるほどまだ腐っちゃいねえからよ、選べ」
「僕はまだ降参しませんよ負けてませんから」
そんなこと言っても戦況は不利....羽々斬まで走ってもその間に斬られる....仕方ない、アレは使いたくなかったけど....
「
これは人体にある秘孔、刺激すれば飛躍的に運動能力や身体の機能そのものの能力を高める技、師匠に教わった技だ
「雰囲気が変わったな坊主、だが武器なしで俺にどうやって勝つって言うんだ?」
「こうやってですっ....!」
これを解放した僕の縮地はさらに速くなる、そして血繰秘孔は体の能力を上げるだけでなく、対照的に敵を戦闘不能にもできる。
「ハァ!!!」
「ウグッ....!なんだこれっ?!脚が動か...」
これは脚の靭帯を一時的に異常収縮させ脚を止める技
「ハァッ!」
「こ、今度は腕ッ....」
そしてこれは敵の脳を直に違い程揺らす技、まず喰らえば3日は意識は戻らない、使いたくないけど相手が相手だ....!
「はい、ストップ」
「クッ....」
この状態の僕を止めた?ていうか縮地がこの人は見えていたのか?
「すまないね早乙女君、僕の大事な部下が使い物にならなくなったら困るからさ、君の実力は十分理解したし、これからが楽しみだ」
「あっ、はい....」
あの連打の中、劉禅師さんのスペースが元々あったみたいに、そこに元々居たみたいに....なんなんだアレは....
「南雲、護道を連れて行ってやれ、七草もこんなところまで呼び出して悪かったね」
「次、私の弟子に文句つけてみろ私が直々にお前とヤリあってやるからな、このクソボケッ」
この感覚前にもなったことがある、底が知れない相手がいる感覚、師匠もこんな感じだ、劉禅師さんもそうなのか....
「つかさ、何ボーッとしてんだ、帰るぞ」
「はっ、はい....」
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