第17話:弟子と旧弟子
「よーし、お前ら今日はとある事をやってもらうからなー、今から説明するから聞けよ〜」
翌日になり、僕達は昨日から言われていたことの説明を受けていた。
「今日、お前らには相撲をしてもらう」
相撲?確か昔かは日本の国技だったってきいたな。
「んじゃまた砂浜に移動するぞ〜」
発表って言うからには何か変わった事でもするのかと思ったら....
「着く前に言っとくことがある、お前らの今日の相撲相手はな....あいつらだ!」
あれは....?
「
「蓮二、知ってるの?」
どこの学園だろう?
「知ってるも何も、俺たちの黒城学園となんら変わらない異能力者の学園だぜ?それに対抗戦でお前達がこれから戦う相手でもある」
「え?!そうなの?!」
確かに、学園対抗戦なら同じ異能力者達が集まる学園が相手だし、でも対抗戦の前にこんなことしていいのか?
「今日やるのは相撲だ、昨日やってもらった組み手と同じく異能なしの投げ合いだ」
異能なしならまぁ、ともかく、だけどやっぱりこれって....
「師匠、あんまり大きい声で言えないですけどこれって良いんですか?」
「これもさゆりちゃんから頼まれた事だしな、それに向こうの学園も承認してるし」
どんな意図があるんだ....
「ねね、きみきみ!君ってさ、噂の無能力者君じゃない?!本当にいたんだ〜!!」
「は、はい?」
意外と明るい人たち?
「でもさ〜、こんな無能力者入学させて更に選抜戦勝ち上がらすなんて、黒城雑魚じゃね?」
なんだこの人、さっきと雰囲気が....
「ヒャッハッ!!チゲーねーよ澪音!」
「はーいそこのガキども、ウィザードの卵ならそれらし戦いで上下決めろ、舌戦はだせえ」
さすが師匠、まったく物怖じしない。
「私たちを黒城の生徒と一緒にしないでよ七草さん、こんなやつ異能がなくたって....」
「ほう?私の愛弟子をこんなやつ呼ばわりか?澪音、お前もいい身分になったんだな?」
なんだ?あの
「チッ、お前なんかが愛弟子?ふざけるな、あとで目にもの見せてやるから」
怖いんですけど....
「はいはいわかったわかった、さっさと下がれよ、今から対戦の説明すっから」
やっぱり知り合いなのか?あとで聞かなきゃ。
「ルールは簡単だ、異能を使わないただの相撲、ただし両校とも選抜メンバーとそれ以外の選手は戦わない、選抜メンバーは選抜メンバー同士でたたかえ、わかったなー?」
選抜メンバーと?じゃあ....
「おい早乙女、私とやれ」
ですよね....なんでこんなにもこの澪音て人に恨まれなきゃいけないんだ...
「んじゃ、手をついてー!待ったなし!はっけよい!!のこったー!!」
相撲というのは単なる力業ではない、力の掛け方、抜き方、力士とはつまり力をつかさどるもののこと、澪音さんはいま、怒ってる、でもそれじゃ力は扱えない!
「勝負あり〜!西、つかさ山の勝ち〜!!」
「クソ!どうしてだ!!私が無能力者に....」
うわ、更に怒ってる....
「どうだー?澪音、私の弟子、強いだろ」
「フンッ!異能があったらこんやつ一瞬でヤレますよ、こんなのフェスタじゃないし」
師匠、いちいち澪音さんのこと挑発しなくていいのに、僕に恨みとして返ってくるから....
「あぁ?お前、いつからそんな弱者みたいなこと言うようになったんだ?フェスタじゃない?甘えてんじゃねえよ、お前は勝負事で私の弟子に負けてんだよ、言い訳すんな」
「そ、それは....七草さんだって、私から逃げたじゃないですか....!なんでそんな事....」
師匠が逃げた?
「何でもいいけど、強くなるつもりのないやつは今すぐここから失せろ、迷惑だ。」
あんなに厳しい師匠、山にいた時以来だ。
「くっ....」
「おい澪音!どこいくんだよ!」
澪音さん泣いてるし....いくらなんでもやりすぎだよ。
「ほらー、続けろお前ら〜」
今日の特訓が終わったら少し美緒んさんと話そう、何があったのか聞かないと....
「よし、今日はここまでだ、両校とも各々の宿に戻って休め」
よし、今がチャンスかな
「あの、澪音さんがどこにいったか分かりますか?少し話がしたくて、教えて下さい」
「あー、早乙女だっけ?無能力者の?多分あっちの方走っていったぜ?」
行ったら師匠に怒られるかもだけど、何故か行かなきゃいけない気がする。
「居た!」
こんな砂浜の端まで来てたのか
「なによ」
「泣いて走っていったから心配で....」
師匠との関係、聞かせてもらわなきゃ
「心配?あんたにされたくないわよ!!無能力者のくせに七草さんに愛弟子なんて呼ばれて」
「いやー、そのことについて知りたくて、澪音さんは師匠と何か関係があったの?」
知り合い?だったのかな
「七草さんは私の元師匠よ、あの人は私がそう呼ぶと何時も怒ってゲンコツしたけどね」
「元師匠?!」
弟子はとった事ないって聞いてたけど....
「いいわよ、無能力者でもあの人に弟子と呼ばせるくらいの貴方に私の昔話をしてあげる」
「お願いします、澪音さん」
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