第8話:痛みと引き換えた力

「師匠、絢辻さんってしってますか?」



「ああ、知ってるけど?」



やっぱり師匠が知ってるってことは彼女自身も実力があるのはもちろん、その家柄も異能力者として優れたかけいなんだろうか...



「実は同じブロックになってしまって....」



「そうか」



あれ?そんなに反応薄いの?



「学園最強だとかで....」



「どうってことはないだろ、学園最強の奴がフェスタで最強ってことじゃないからな」



そりゃ、卒業後のつまりフェスタのプロリーグで戦ってる人に比べたらそうかもしれないけど....



「私もそいつの叔父にあたる者と戦ったことあるぞ?大したことなかったけどな、雷撃も受けたが気合いで吹き飛ばしてやったからな」




気合...根性論かもしれないけど師匠の戦い方はそうだ、僕も痛みに耐える修行は何度もさせられたし、実際そのおかげでよほどのことでないと痛みは耐えられる。



「多分、私のゲンコツの方が痛いぞ?」



「確かにあれは...」



師匠のゲンコツは痛いと言うかなんというか...

一撃で生物としての強さを分からされる感じがする....



「耐えるとしたら、何発までなら耐えれますかね?もし喰らってじまった時のために...」



「はぁ?お前あんなの喰らう気なのか?あんな大袈裟な技、縮地使えば避けれるだろーが」



あんな技、というのだから師匠は絢辻さんのことよく知ってるのか?



「詳しいですね、師匠」



「当たり前だろ?師匠なんだから、それより奴の厄介なのは他にもある、その中でも1番厄介なのは、抜刀術・センだ。」



夜咲さんや蓮二はその技のこと話してなかったけれど....



「多分、人間としての戦闘力ならお前の方が上だからな、だから奴はきっと奥の手を出してくるだろう、それが今言った技だ」



「奥の手まで知ってるんですか?!」



抜刀術、というくらいだから単発の攻撃なんだろうけど、それほど厄介なのか?



「奴の叔父から連絡があってな?お前の弟子は無能力者だからとか言ってわざわざ教えてくれたんだよ、あのクソジジイ。」



「舐められてるって事ですか?」



それはそうか、相手は異能力者、それに名門の家系だもんな〜。



「閃はな、抜刀術、といってもその速さが異常なんだよ、奴の異能で高速に放たれた刃、それにフェイントも使ってくる、厄介だろ?」



「それは厄介ですね....」



速いだけならともかく、フェイントまで入れるなんて絢辻さんは剣の腕も結構なものなんだろうか。



「大事なのはビビらない事だ、奴の刀身を最後まで、ギリギリまで見続けるんだ」



確かに、どんな戦闘においても目をつぶらないことは大前提、しかしそれを極めた者でも一瞬も目を離さないということは簡単ではない。



「でもつかさ、お前ならできるよな?」



「はい、師匠の修行がありましたから」



異能力を持たない僕は師匠に木に縛られて五寸釘を眼球のあと数ミリで届く距離でなんども寸止めされた、原始的な修行、かもしれないけど効果は文字通り的面だった。



「それと、お前奴に勝ったら気を付けろよ?」



「えっ、勝ったらですか?」



何でだろう。



「まっ、それは後でもいいか、それより選抜戦まで後三日だろ?縮地だけやっとくぞ」



「あっ、はい!」



縮地とは、戦ってる相手に認識されず一瞬で近づいたと思わせる技、これを極めると一見、異能力を使ったように見える。



「よし、ここさゆりちゃんが好きに使っていいってさ、とりあえず私に向けてやってみろ」



「はいっ!行きます」



これも師匠と積み上げて作った僕だけの技、異能力者に勝つための技。



「ハァッ!!」



「パァンッッ!!!」



これを習得するまでに足の指、足首、の皮はなんどもめくれた。



「我が弟子にして、素晴らしい縮地だな」



「ほ、本当ですか?!久しぶり師匠に見て

もらうから少し心配だったんですよ〜!」



よし、これならいけそうだ、問題は絢辻さんや

我妻さん以外に、脅威になる生徒がいるかどうかだな....

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