第17話 集結


「「「「「「………………………………………………」」」」」」





今この大広間には、総勢6人が集結していた。


私、私そっくりな姉さん、けんちゃん、けんちゃんそっくりなタケル君、星野君……………と。





     星野君そっくりな、シュウゾウさん。





「どええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ?!」


――その後、私の雄叫びに現代人3人が耳を塞ぎ、姉さんとシュウゾウさんはショックで気絶したのだった。
















「…………さん。姉さん、姉さん!」

「………………………………のあか」


あれから10分程で、気絶していた姉さんが目を覚ました。


「……………はっ!そうだ、殿がお二人と、おっさんが二人いて……」


げ。やばい。……こんなときこそ、タケル君に教えてもらったアレを……


「……な、ぁななんのことです?」


………………………………。私もうけんちゃんのこと馬鹿にできません。


「は?お、覚えてないのか?のあが殿によばれて――――」


よし、ここで「なんのこと?」って顔を――――



にへらっ。



「………………………………のあ?」

私が絶対になれない職業第一位・女優。確定です。



「いやまあとにかく何言ってるかわかんないです姉さん」

「………………………………そうか」








がばっ!









「殿が二人!」




…………………シュウゾウさん…………………。












   







――――その後シュウゾウさんにも暗示をかけ(二度目なので上手く言えたよ!信じて!)、再びお城の外でけんちゃんたちと会うことにした。



「おい、仕事サボって良かったのかよ」

「ダメだろうね。あはは。まあ、もうじき辞めるんだろうし」


あははじゃねえ、とツッコミをいれられながら、私と夏陽はけんちゃんと星野君を待っていた。







「――――――――へぇ。桜厘山の桜、ねえ」

「けんちゃんはそこからタイムスリップしてきたんだって。夏陽は桜厘山知ってるの?」

「知らねーな。初めて聞いた」


夏陽は寝癖をいじりながら言った。


「ふーん。じゃあ、夏陽はどうやってタイムスリップしたの?」


「それは―――――――――」







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――2009年――(1ヶ月前)


「春風君!係のことなんだけど――――」


下校中。小柄な女子がこちらに走ってきた。

秋山あきやま百合ゆり。俺・春風夏陽の幼なじみ。

真面目で純粋無垢。俺の苦手なタイプ――――だが秋山はどことなく俺につっかかってくる。


「あーめんどくせ。勝手にやっとけ」

「……もう!いっつもいっつもなんなのよ!――――もう知らない!」


こうやって冷たくすると、秋山はすぐぷりぷり怒って行ってしまう。


「ふん。勝手に知らないでおいとけよ」

「はあーーー?!意味分かんない!」

「ま、まあまあ…………」


…………ついにクラスメートに仲介までされてしまった。


「私帰る!」

「好きにすれば」


「ふんっ。―――――――――――――――――――あ、桜!」


秋山の指さした空中には、透きとおるような桜の花びらが舞っていた。


「キレイ……………………………………」


秋山が花びらに手をのばすと――――――――――――




「「?!」」




秋山の体が光りはじめた。





[――――このままにしておけば、秋山がどこかへ行ってしまって、二度と戻らない。]




直感的にそう思った俺は、気づくと秋山に飛びついていた。













「あき――――――――百合!」












すると、俺と秋山は眩しい光に包まれ、気づけば俺はここ――戦国時代にタイムスリップしていた。



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「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ?!幼なじみなのに名字呼びなの?!」

「気になるとこそこか!…………でも、小4にもなったらさすがに名字だろ」


小6でけんちゃん呼びがいます。目の前に。


「…………じゃあ、その秋山……さんが触ったのは、桜厘山の桜ってことでいいんだよね?」

「ああ。その可能性が高い。秋山もタイムスリップしてるな。多分」


「でも一緒にいないんでしょ?じゃあ別の時代か場所に行っちゃったってことだね」


私にしては名推理!

それにしても……と、私は夏陽をちらりと横目で見る。



「女の子を助けようとするなんて………男前ですなあ、夏陽君!」

「うるせえ!黙っとけ!」


…………聞きたいことはまだ色々あるけど、私には伝えられそうにないので、けんちゃんたちを待つことにしよう。



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