第8話 掃除がキツイ
話がぐちゃぐちゃになってしまったので、少し整理しよう。
私――左門のあは、マンホールに落ちて戦国時代に(たぶん)タイムスリップしてしまった!
そしてあるお城に迷い込んだ……というか忍び込んだ私は、その日来るはずだった雑用係になりすまし(?)お城の雑用係になったのだった。その時出会ったのが、このお城で働いているイケメン、シュウゾウさん。
もう一人の雑用係・春風夏陽は、口が悪いがなんとか仲良くなれて(?)和んでいたんだけど……
なんと、あの日来るはずだった雑用係の女の子・佐間伯が現れた!
その子は私をかばってくれて、私と伯――姉さんはなんとか雑用係になることができたのだった。
そして、今に至る!
掃除がキツイ!
夏陽と会う前に一人でやってたけどさ!
もー水が重い重い。10kgはあるよね?!
「の……のあ……しっかりしろ……っ」
「姉さん?!」
私よりひどいですけど?!
「お前がだよ。ほれ、持ってやるから」
「夏陽、意外とやさしい!」
「意外とは余計だよ。よし、あと一階」
ドスン!
「はあーっ!終わった〜〜!」
「何言ってんだ。掃除はこれからだ」
うわーん!そんなこと言わないでよ!自信なくすから!
「……………………終わった……………………」
「……姉さん……」
「言うこと同じかよ」
そんな感じで、私達は掃除を始めた。
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ(廊下を走る音)
ドサッ!ドゴーン!バスン!(雑巾がけでぶつかる音)
さっさっさっさっさっさっさっさっさっ。ぼすっ!(障子に穴をあける音)
「…………お〜〜ま〜〜え〜〜ら〜〜」(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……)
「「ひいっ!」」
夏陽さん!怒ったせいでいつもに増して目がつり上がっております!
――なぜ怒っているのかというと……
さっきの大惨事は、全て私と姉さんがやらかしたことなのです……
いや〜、障子に穴あけるとは思わなかったよ……
さっき姉さんとぶつかったので、尻が痛いです……
「お前らふたりとも、料理に掃除に修行しとけ」
「「修行?!」」
修行なんて、どこですればいいの?!
「まあとにかく、夕方だし夕食の準備するぞ」
「そっか。やろうやろう!!」
「姉さん………………」
「?何だ」
「何で朝と同じことしようとしてるんですか……」
「……………………朝……………………」
……忘れている!
「お味噌は最後です!まだ夏陽に聞いてから一日も経ってません……」
「あー」
今、夏陽は井戸に水をくみにいっていて、ここにはいない。
かなり心配です……。
姉さん私より料理オンチっぽいし……
「じゃあ私はねぎ……だっけ……を切るぞ」
「心配しかないです……」
―――――すると。
ばしゃあっ!
「「?!」」
「水………?」
水の音が聞こえた気がする……
階段の方かな……
「私、ちょっと行ってくる!あ、姉さんはねぎよろしく!」
「?ああ」
「夏陽ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?」
「のあ?」
「あ、やっぱり夏陽だったんだ」
「いやー、水こぼしちまって」
水は半分くらいこぼれてしまっている。
「まだ残ってるし、このまま戻っていいんじゃないかな」
「……のあ」
「何?」
夏陽が急に真剣な顔になるもんだから、私も少し緊張してしまう。
「のあ、少し話さないか?」
「…………へ?」
「大事な話があるんだ」
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