第3話 雑用係

護衛さんに、見つかっちゃった!



あれから少し。

私の周りには、 4、5人の護衛さんが集まってきている。

そして絆創膏だらけの私の腕には、なんと縄が!


だ、誰か助けてーーーーー!!


「そなた、今日参る予定だった雑用係ではないか?」


凛とした声が響き、その場が静まり返る。

言葉を発したのは…

「およっ!」


I KE ME N!


近年まれに見るイケメン!

一人だけ良さげな服着てた人。


「名は…なんといったか。みなごだと聞いた。そなたであろう?」


なんか雑用係とかなんとか言ってたけど、まあいいや!

「はいっ!私が雑用係でございますです!」

「なんだその格好は!キリスト信者かああああああああああああああああああああああ!」


ひいっ。イカツ護衛さん!


「違いますうううううううううううううううううううううううううううううううううう!」

「女房の着物を貸してやる!そのふしだらな格好をやめろ!」


イカツ護衛さん、意外に優しい!!

でも、ふしだらってなに?!

ショッキングピンクのTシャツに短パンですけど?!


「そなた、名は」

「さ、左門のあです…」


イケメンさんはにこっと笑って、


「私はこの城に仕える者だ。シュウゾウと呼んでくれ」


……シュウゾウさんが笑ったとき、なんだか見たことがあると思ったのは、気のせいだっただろうか――



「のあ、ここがそなたの部屋だ」

「ええっ。部屋まで用意してくださるんですか?!雑用係なのに!」

あれから、私はシュウゾウさんに連れられてお城に入った。


すごい興奮したけど、

正直、かなり、ボロかった。


いや、結構前に建てられたんじゃないのかな?うん。


この部屋も、

正直、かなり、ボロい。


「有限だがくつろいでくれ。それから、明日早速仕事を教える。少し早いが明け方、 門で待っている。」

「はい。今日はありがとうございました」


ふぅ。疲れたあーーーーっ!

それにしても、雑用係に部屋が設けられるなんて…

……おそらく、勢力の小さいお殿様なんだろう。

「あ、お殿様……」

そういえば、お殿様にあいさつしてない……

「まあ、雑用係だし…」


――そうして、不思議な一日が終わった。




「……朝だあ……」

小鳥のさえずりと、暖かなおひさまが気持ち良い。

目覚めてから私の目に飛び込んできたのは、瑠璃色の着物、力強い松の柱、そして、


             イケメン。


「シュウゾウさん!」

「明け方来いと言っただろう」

あ、そういえば、そうでした……

ちらりと外を見ると…

うっ、少なくとも7時は過ぎてる…

「お、おお待たせしてすみませんでした!」

「まあ良いだろう。のあの仕事を教えよう。その前に着替えよ。ムザウが用意していただろう?」

「ムザウ?」

「昨日の護衛だ。妻の着物だそうだ」

ああ、あのイカツ護衛さんか!

「では私は門で待っている。今度こそ遅れるなよ」

「はいっ!」




――私の、戦国時代ライフが始まる――




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