第5話 バレーボール

バレーボール

団体戦ですね。


越してきた私が

顔見知りでご近所さんで同じクラスのお友達みんなでワイワイやってる所に入っていくのはどうしても抵抗がありました。

どうしても、というか無理な話です。


そりゃあもう最初は仲良くして貰えませんでしたよ(笑)


自己紹介しても聞いてるのか聞いてないのか分からないような返事。

会話は好きな男の子の話や学校の話。

越してきたばかりの私は顔と名前がなかなか一致せず話について行くことができない。

だから練習に集中する。

メキメキ成長して選手になる。

あいつ生意気。と嫌われる。

の八方塞がりでした。


あとから聞いた話では

私の父が不良だったらしく関わったらアカンよと言われていたらしい。(笑)


そんな毎日を過ごし半年を過ぎたあたりで深い話ができる親友と呼べる子が出来ました。


彼女はミクちゃんといって

小学校のクラスが同じ。

バレーのチームも同じ。

お泊まりしたり

プリクラを沢山取りに行ったり

当時はやっていた携帯小説を読むには画面メモがオススメだよなんて話したり

謎にタイルシール(立体的なシール)の交換やメモ帳の交換したり

小学生女子らしい生活を共に過ごしてくれる親友でした。

ミクはとても顔が美しく誰にでも優しく男女関係なくすごく人気のある子でした。



顔はそんなに良くなくとも誰とでも隔たりなく男子女子関係なく楽しくお話できる人は子供の頃モテます。

自分で言うのもなんですが

ミクは顔もきれい性格もいい。

ケイコは一緒にいて楽しい。勉強と運動ができる。

と言われて

どっちが好きなの?と男子の中で言われていたくらいにはモテていたそうです。

本人はちっとも気付きませんでした。


というのも小学5.6年生の時の私は

恋愛としての「好き」

という感情がまだ分からなく告白されても

「わざわざなに?でもありがとう!私も〇〇くんと一緒にいて楽しいよ!私も好きだよ!」

なんて笑顔で言っちゃう無意識小悪魔(場合によっては大悪魔)だったんですね。

恐るべし無自覚。


ミクは好きな人がいるということが知れ渡っていたので告白する勇者は現れませんでした。


ミクと私はケミケミコンビ(仮名なので呼びにくく申し訳ないです。)などと言われ

2人で取り組んだ夏休みの自由研究が市の発表会で優勝して表彰されるなど

学年内ではなかなか有名な2人だったそうです。


ミクとは中学も高校もずーっと一緒に通って部活もバレーにしようね!!と約束していました。

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