第6話
ニコニコニコニコ……笑顔を見せるシェル王子がいた
「……」
俺のベッドの側で椅子に腰掛けている一番上の兄王子シェル・イル・ロード・ベルスタがずっと笑顔でベッドの上で仰向けで寝ている俺を見ているからドキドキとして落ち着かない…
王子様って暇なのか?何もする事無いのか…なんて本人の前では言えない、俺は豪華なお布団の中でじっとシェル王子を見ていた。
「私の顔を見てどうしたんだい?ウィル、具合いでも悪いのかい?」
「……いえ、大丈夫です。目が覚めてから気分は良いです」
俺はシェル王子の顔を見て、王子様って皆綺麗な顔をしているんだろうか?春人の俺の姉ちゃんが結婚する前は良く乙女ゲームって奴をやって居たのをチラッと見た事があった。
王子様系みたいなゲームでキャー、キャーとゲームに向かって騒いでいた姉ちゃんを思い出した。
今此処に姉ちゃんが居たら煩いだろうな……
俺はチラッとまたシェル王子を眺めていた。
王子様だから顔もスタイルも完璧に見え女の人にも不自由しないだろうな…と考えていた。
さっきのキスの挨拶を思い出し、確か女性達と言った言葉に何人彼女が居るんだろうこの人は……と、じーっと見てこの人の顔見飽きないなと布団の隙間から覗くように見ていた。
ギッ…と椅子から音が聞こえシェル王子がベッドの上で寝ている俺の顔を覗くかのように見下ろして居るから俺はドキッとしてしまい……
「……ど、どうしたのですか?に…シ、シェル兄様……」
「!!」
シェル王子は俺が名前で呼んだからなのか目を見開き驚いている顔を見せそして「フッ」と笑顔を俺に向けていた。
「ウィル、目覚めてから初めて私の名前を呼んでくれたね、もう一度呼んでくれるかい?!」
「えっ……シェル兄様……」
「もう一度…」
「シェル兄様!」
「ああっ、ウィルもう一度呼んでくれるかい!?」
「……おやすみなさいシェル兄様」
「な、何故おやすみなさいに成るんだいウィル」
ガバッ!と布団の上から覆い被さるようにシェル王子が俺の上に乗ってきた。
「うあっ!?なっ、重っ……兄様退いて……!」
「ああっ、ウィル、ウィル、可愛いい私のウィル!」
ゾワワワ~~ッ!と鳥肌が立っような感じを受け、なんか王子が壊れたようにも見えてしまうのは気のせいだろうか……
バーーーン!!と扉が突然開いた。
「うおおおーーっ!?」
ドン!
「うっ!?」
「ウィル様医師様を連れて参りましたわ~~っお気を確かに~!」
一人の女性が勢いよく扉を開けた為俺はシェル王子を両手で押し出したような気がしたが気のせい……
「……ウィル…ゴホッ……私を押し出し…ゴホッ、ましたね……」
じゃなかった……ユラッと身体をフラフラと立ち不敵なシェル王子の顔を見て俺はウィルの顔でヒクヒクと口元がひきつりそうな気がして「エヘヘ…」と笑った後シェル王子と俺の睨みあいこが続いた……
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