第5話
コッコッコッ……と奥へ行っていた金色の髪の毛の彼がゆっくりとした足音を立て俺の方へ戻って来るのが分かり、俺は顔を向けるのが怖くて目を合わせないようにするのがやっとだった。
「ウィルすみません、貴方の前で涙を流し…一番辛いのは貴方なのに……」
「……」
俺は王様に突き出されると思い、彼が普通に俺をウィルとして話しをしてくるのに驚いた。
「ウィル何も心配要りません、私が付いています」
ニコッと微笑む彼は俺の頭を撫で俺は目頭が熱くなりそうな感じで、彼の大きな手が不安に成っていた俺を癒してくれた気がして、
もしかして彼はウィルが話していた一番上の兄なのか?と思った。
「……貴方は僕の…兄様ですか?」
俺はウィルの言葉を話し方を思い出し、彼に尋ねると今まで頭を撫でていた手がピタッと止まり、俺の顔をじっと見て俺はヤバイ事を聞いたのか?と冷や汗が出てきそうな緊張感を見せ彼は「フッ」と笑顔を見せてくれた。
「そうです…私は貴方の兄に成ります。
名前はシェル・イル・ロード・ベルスタ第一王子です。貴方は第五王子ウィル・テラ・セルディ・ベルスタと名前が在ります。」
ニコッと微笑む彼の顔を見て俺はこのままウィルとして生きて良いのだろうかと……この人に甘えて良いのだろうかと、目から涙が溢れそうで彼の……シェル王子の暖かな手がまた俺のウィルの頭を撫でていた。
なで、なで、なで……
この人はいつまで俺の頭を撫でるんだ?涙で瞼がくっつき閉じたままでいる俺はこのまま俺の頭を撫で終わる迄待っべきか、どうすべきか…モヤモヤと考えると「ふふっ」と笑う声が聞こえ俺は閉じていた涙で固まっていた瞼をゴシゴシと指で擦るとシェル王子の手が俺の手を掴み「えっ?」と思わず声を出してしまった。
「ウィル余り目を擦ると赤く成ってしまうよ」
シェル王子は俺に声を掛けた後チュッと瞼にキスをした為驚いてしまった。
「ええええええ~~~っ!?」
「ふふふ、何を驚いて居るんだいウィル、瞼に触れるのは初めてでは無いんだよ、ああっ、そうだったねウィルは覚えて居ないんだったね」
俺の手を掴んでいたシェル王子の手がギュッと力が入るのが分かり、俺はシェル王子を見上げていた。
「今から私がウィルに毎日の習慣を教えてあげます」
「毎日の習慣って何ですか?」
「ウィル、毎日の習慣は私達家族の挨拶です」
「……挨拶、ですか……」
「実際にしました方が分かりやすいでしょう」
「へ?」
俺は実際にやってみると聞き挨拶ってあのテレビで見た外国の人が顔にするキスの事だよな……俺はシェル王子の顔をじーっと睨むように見上げていた。
「そんなに見ていますと出来ませんよ」
と言っていたシェル王子がいきなりチュッと頬にキスをして「ひゃっ!?」と思わず声を出してしまった。
「ウィル声は出してはいけません自然にしてください」
「ええっ、でも、擽った……うっ!?」
チュッと今度は額にキスをして俺はギュッと瞼を閉じて顔が熱く成るのが分かった……シェル王子は挨拶のキスを止める気配もなく今度は閉じていた瞼にキスをしていた。
「ううう~……」
俺は恥ずかしさで唸るような声を出しシェル王子が「ふぅ…」と息を吐く声が聞こえた。
「私の挨拶は嫌なのですか?ウィル」
「えっ、嫌なのですか?と言われても初めての事で……」
「初めて私の挨拶を受けてくれます女性達は喜んでくれるのですが……」
「えっ?女性!?」
ハッ!とシェル王子はしまったみたいな顔を見せそのままニコッと笑顔を見せていた。
「いえ、何でも在りませんウィルこれが普通私達家族がします挨拶と親しい方にします挨拶です」
「……」
親しい方は女性の事なのか?と俺は声に出す事なくシェル王子の事が何となく分かった気がした。
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