第30話 パンツァーはプロッターになれるか(後編)
パンツァーはプロッターになれるか(後編)
こんにちは。深緑白です。BL小説の公募に初めて小説を応募しました。これはその顛末記の後半です。
第三稿で感想評価サービスの皆様に小説の感想を伺った私は、また最初からプロットを組み直しました。プロットを組むのは三回目です。
ここに一番時間がかかり、私は「今回の公募には間に合わないので、次回に回します」とTwitter で弱気な発言をしておりました。
しかしどう考えても構造的な欠点は解消できず、私は現時点でやれることをやって小説を提出しようと思いました。
組み直したプロットで小説を書いたのですが、この時点でもパンツァー気質の私は「シーンを実際に書かないと話がわからない」と頭を抱えておりました。
前回のおさらいですが、プロッターとはプロットをもとにお話を書く人、パンツァーは行き当たりばったり(思いつき)でお話を書く人です。
何回も直した原稿なのでさすがに登場人物が暴走することはありませんでしたが、「やっぱり自分は文章を書かないとプロットが書けない人間なんだ……」としょんぼりしました。
言い訳ですが一応登場人物の設定資料とか人物像は最初に作るんですよね。
でもプロッターの先生(私が読んだなかではK・M・ワイランド先生、ラリー・ブルックス先生)から言わせると、それでは計画が足りないのです。
なので天性のパンツァーである私がプロッターに変わるには、先生方に弟子入りして物語を書く前にがっちりプロットを作っておくか、従来通りまず最初に本文を書いて、そのあとでプロットを組み直すしかないのです。
我が心の釣り兄貴、村上春樹先生は、お話を聞いているかぎりパンツァーとプロッターの折衷派です。
『職業としての小説家』に、村上氏の小説の書き方が詳細に載っています。
村上氏はまず第一稿を書き、一週間くらい寝かしたあとで、第一稿の直しをします。
第一稿では最初にプランを立てることなく、思いつくままどんどん即興的に話を進めていきます。第一稿の直しでそのときに出てくる矛盾点を筋の通った整合的なお話に変えるそうです。
その後また一週間くらい休んだあと、第二稿の書き直しをします。今回は細かいところに注目して、風景描写を書き込んだり、会話の調子を整えたりします。一読してわかりにくい部分をわかりやすく変え、話の流れをより円滑で自然なものにします。
第二稿の直しのあとは、長い休みを取ります。半月から一ヶ月くらいとのことですが、そんな作品があることすら忘れてしまうそうです。
その時点で奧さんに意見を言ってもらい、批判された部分や問題点を書き直します。それに片がついたところで、編集者に正式に読んでもらって、また話を直すそうです。
村上氏は最初にパンツァーとして自分の心に浮かぶ物語を書き、それ以後にプロッターとしてお話を調整するという、そういう書き方をしているようです。
なので、どうしてもパンツァー気質が抜けない私は、お話を書くためには最初に本文をいっぱい書きためておいたほうがいいのかなと思いました。
それか、ワイランド先生に私淑してがっちりプロットを作るよう努力するか。
明日の自分がどうするかはわかりませんが、自分と相談して自分の書きたい話を書いていこうと思います。
今回は下読みさんと校正さん、感想評価サービスの皆様と、たくさんの方に小説への助言をいただきました。
自分の力だけではここまで話を仕上げることはできなかったと思います。ご尽力いただいて、本当にありがとうございます。
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