第9話 好き。そして、すれ違い・・・
それから恒河とは、時々、出掛けたり飲みに行ったり前に比べて本当の友達のような関係を築いていた。
そんな恒河に私は想いを寄せ始めていた。
ある日の事。
「恒河」
「何?」
「…あのね…私…恒河の事が…好きなの…」
「うん」
「だから…えっと…付き合って…欲しい…ゆっくりで良いんだ…」
「ゆっくりも何も…その必要ねーし」
「えっ?」
「だって俺もお前が好きだから」
「…恒河?あの友達とか、そういう事じゃなくて恋愛対象として私言って……」
グイッと引き寄せられたかと思うと言い終える前にキスで唇が塞がれた。
ドキン…
「好きじゃねーならキスしねーし。…俺さ、高校の時、スッゲー、好きな子がいて、その子に告白しないまま卒業して離れ離れ。後悔している自分がいて」
ドキン…
≪…私と一緒……≫
む
「だから…もし綾霞が告白しなきゃ俺から告白しようと思っていたから」
「恒河…」
「改めて宜しくな。綾霞!」
「…恒河…うん…」
私達は再びキスをした。
そして私達の恋人としての交際が始まるのだった
―――― でも
これが後に
『後悔』 と 『幸福』
の文字が交差する……
付き合ってラブラブな3ヶ月
付き合って色々知る半年
付き合って色々な嫌な一面が
見え隠れする1年
――― そして それ以上は ―――
『結婚』と『恋愛』
『継続』と『別離』
――― が 交差する ―――
そして、そんな私は恒河と1ヶ月の今
相変わらずなラブラブな日々と
言いたいんだけど ―――
「恒河、今度、映画でも見に行かない?」
「今度っていつ?」
「今度の日曜日」
「あー、悪いちょっと外せない用事があるんだ」
「そうか……」
「悪い」
「ううん」
そして、別の日。
「なあ、今度、この前の埋め合わせしたいんだけど都合どう?」
「えっ!?ごめん!久しぶりの友達と遊びに行く予定入れちゃったよ」
「そうかぁ~」
「ごめん!」
「いや、良いよ。仕方がない」
「本当、ごめん!」
付き合って一ヶ月、すれ違いが続いた。
そして2ヶ月目となり、要約、お互いの時間が合ったと思った矢先、デート中に、一本の電話。
私達は恋愛も大切にする中、友達を大切にしたい思いもあり、デートを中断。
私達が付き合う時に決めた事だった。
恋人同士の時間も大切にするのも必要だけど、友達に何かあった時は、優先にしたいという私達の意見は一緒だったからだ。
付き合ってデートというデートはしたことがないと思う時も日々あったけど……
この事は恒河自身も感じていた。
そして、3ヶ月目に入ったデートの日。
約束の時間が過ぎても、恒河は現れない。
「恒河……どうしたんだろう?」
すると ――――
♪~
『悪い。急用。終わったらすぐ向かうから待ってて』
考えた瞬間に、タイミング良く入ってくるメール
♪~
『分かった』
「でも……どれ位かかるんだろう?」
そして……
1時間……
2時間……
時間は刻一刻過ぎて行く
待ち合わせから
―――― 5時間 ――――
メール入って3時間が経っていた……
♪~
『こうが……ごめん……』
『これ以上は待てないや……帰るね……』
そういうメールを、送信した。
誰が私達の
邪魔をするのだろう……?
どうしてだろう……?
その日の夜、恒河から
1通のメールが入ってきた。
♪~
『ごめん……』
たった一言だけのメールだった。
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