第4話 恋人

それから1ヶ月が過ぎ ―――



「えっ!?本当に?」

「うん」

「嘘!?マジで!?」



無邪気に喜ぶ尚貴君の姿。



そう、私は尚貴君に恋人から付き合おうって事を伝えた。




「そう、じゃあ要約、付き合う事にしたのね」


お姉ちゃんに一先ず報告した。



「いつか紹介してね」

「あ、うん分かった」




一方。



「へぇー、綾霞ちゃんと付き合う事になったんだ。良かったなぁ~。要約、友・達・からランクアップして」


「友達を強調するな!」

「気のせいだろう?」

「自分に彼女いないからって」

「はあぁぁっ!?別に関係ねーし」





ある日のデートの別れ際 ――――



「綾霞、俺ん家来ない?」

「えっ?あっ!ごめんっ!この後、どうしても外せない用事あって」


「…そうか…」



とても残念がる尚貴。



「うん、本当にごめんっ!今度ね。その時は手料理作ってあげるから」


「分かった」



私達は別れた。




そんなある日の事。



「なあ、尚貴。今日さ、ちょっと合コン付き合ってよ!頭数足りなくてさ」


「えっ!?いやいや、無理、無理。俺、彼女いるし裏切る気…」




グイッとヘッドロックされる。




「尚貴しかいないんだけど」

「いや、でも…」

「彼女に言わなきゃ良い訳だし」

「何でだよ!要約、付き合う事が出来たのに絶対に行かないからな!」



そして、断りを入れたものの強制参加の合コンに参加させられるのだった。



そんな中。


「じゃあね!綾霞」

「うん、またね」



親友の由佳里と別れた、その直後。



「尚貴君」

「何?」



ズキン


聞き覚えのある名前が聞こえ視線を向けると、そこには、尚貴と女の人と一緒にいる姿。


しかも、その女の人は、私の姉の姿があった。




「ねえ、今度二人で会えないかな?」

「ごめん…俺…彼女……」



お姉ちゃんは尚貴にキスをした。




「………………」



「一回付き合ってくれれば良いから。お願い」




私は突然の出来事に頭が真っ白になるのだった。








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