短い物語なのにドラマがあって綺麗な物語。読み進めていくと、煌びやかで色とりどりな夜の街で生きる蓮から色が失われていくような印象を受ける。それは余計な雑色が抜けて白へと回帰するようだ。百合という女性がその名の通りそのイメージを補強している。最後にかけて、綺麗な純粋さが残る。読後は切ない中にも清涼感があった。