理想のカレシ

紫村 秋

第1話 理来(25)と雅樹(23)の時間




雅樹「りく〜〜?帰ってるの〜〜?」


確かに玄関には理来の靴があるのに、リビングの電気は付いていない。

雅樹は少し心配になり、リュックも下ろさず部屋の電気を付けて理来を探した。


理来からの返事はない。


雅樹「りーくー…」


リビングと風呂場に居ないことを確かめ、寝室へ。




そっと寝室のドアを開けると、今朝均したはずのダブルベットに小さな山が出来ていた。


雅樹「まだ8時前だよ理来〜」


近づいて布団をめくる。

胎児の様に丸くなった理来を見つけた。


理来「…」


眠ってはいなかった様で、目が合った。


雅樹「見つけた〜」


ふわっと微笑んで、雅樹の切れ長の目が弧を描く。

理来はこの笑顔が大好きだ。


雅樹「何してたの?」


優しくて少しゆっくりしたテンポの話し方も。





理来「雅樹帰ってくるの待ってた…」


ベッドサイドに座った雅樹の腰にゆっくり両腕を回す。


雅樹「そっか、待たせてごめんね。ただいま理来〜」


ぽんぽんと理来の頭に触れて、撫でた。


理来「はぁ〜寂しかった…」


流れる様に頭を移動させて、雅樹の太ももに顔を埋めてそう呟く理来。

ただ微笑んで頭を撫でるだけの雅樹。


雅樹の膝を跨いで、首に両腕を回し、ぎゅーって抱きつく理来。

雅樹も理来の背中に腕を回して抱きしめた。



理来「お帰りなさい」

雅樹「ん、ただいま」





甘えん坊で寂しがり屋な理来と、とことん溺愛しちゃう系男子な雅樹。
















雅樹「理来、もうお風呂はいった?」

理来「まだだよ〜」

雅樹「今日一緒に入ろっか!」

理来「えっ?!/ /」

雅樹「今更照れんの…? なにそれかわいい…」

理来「えっえっ!ちょ、鼻血…!!汗」

雅樹「あ、ごめん…つい…」






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理想のカレシ 紫村 秋 @simura999

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