27.もちろんです!
パトライトのサイレン音と、排気量の大きいエンジン音、そして少し乱暴なブレーキ音が、ほとんど連続して聞こえた。
マンションの空気がざわめく。車のドアが開いてまた閉じる音は、二つ聞こえた。
とっさに声の出なかった
「
「警察で、被害届の調書に立ち会っていました。多少は強引でしたが、何人かの学生の
「おかげで助かりました。
「ありがとうございます……
「よし。ギリギリだったが、
薬事法の調整を待たず、強行捜査するということだ。公権力執行の順序は微妙だが、
一連の行動は、すぐにマスコミにも明らかになる。
「連中の拠点は、都内の大学って大学に散在してる。俺も他の
「それでは一手、遅れるだろう」
低く落ち着いた、それでいて
「この騒ぎは、
黄金色の目の黒猫が、三人の足元で、にやりと笑う。
「おお、っと……ミツヒデか。おまえ、本当にしゃべれるんだな」
「
「言っている意味はわからんが、ありがたい。この際、猫の手も借りよう」
なんとか平静を
「反応が薄いな。してみると、もう
「……その通りですが、下品な言葉ですね」
「
「違うぞ」
苦笑して、
「ヒカロアくん、だったな。情報交換と言うのも少し違うが、
「ほら、
あきれて
「それであなたは、自称女神の話を信じたのですか?」
「スケールが大きくて、いろいろ難しいところもあったけどね。でも、君とこうして話すのは、多分、初めてじゃないよな。だから信じることにした。現にミツヒデもしゃべったことだし、根拠が
今度は
そのミツヒデを、
「少し太ったな? まあ、いい。心当たりに案内してくれ。総がかりは
「太ってなどいないが、案内は引き受けよう」
「よし。
「
「ぼくも行きます!」
「だめだ。強行捜査に一般人は
「
大げさに首を横に振る
「そういうところは、まだまだですね、
「え……?」
「公務員は、
「絶対にだめだからな? 人っ子一人、猫の子一匹、だめだ。勝手についてきたら、承知しないぞ?」
ミツヒデが、
ヒカロアが、
「謝罪します、
「ヒカロアさん……?」
「
言葉ほど、声は軽くない。
「甘いと言うか、人が
「今は違います。恐らくアシャスの甘さが、あなたの婚約者を、危険な状況に
「そんな、
ヒカロアが、その意思に
「力を貸します。そして、貸してください。必ず助けましょう」
「はい……っ! もちろんです!」
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