6.自分で自分を褒めてあげます。
企業向けにPCから机、椅子、複合機のリースまで仕切ることもあれば、輸入雑貨っぽい
女子社員のオフィスウェアもデザインに
「ええと……ここで、こうして……これで、良いんだよな……?」
知識と記憶は
月曜日の朝、
「んー、お願いねー」
それだけ言って、
「仕事を他人に丸投げなんて、神経が太いよ。ホントに」
正確には他人でもないのだろうが、アシャスにしてみれば、
「
「
言われて、
黒髪をいつも
「あの人か……わざわざ来るなんて、なんの用だろ?」
「お茶でも飲みに来たんじゃないですか? もうトモダチ感覚で」
「そんなに好かれる覚えも、ないんだけどなあ……」
個人的に親しければ、不自然を
あからさまにため息をつくと、少し離れた席の、
「覚えがあろうとなかろうと、利用できるものは利用しろ。おまえが
「
「おまえ、若いくせにオブラートなんて知ってるのか?」
「アレ好きですよ! ほら、きなこのついたモチモチの、なんとかデンチュー! 今度、会社に買ってきてくださいよ!」
課長と後輩のやりとりを尻目に、アシャスは、げんなりとしてオフィスを出た。
「お約束もなくうかがって、申しわけありません。ほんの少しだけ、お時間を
「ああ、はい……こちらこそ、
「いえ、それほどのことではありません。ちょっと
私立、
「は、はあ。では、まあ……こちらにどうぞ」
アシャスが案内した応接一号は、もちろん、一番上等な応接室だ。
向かい合って座ると、ちょうど頼んでおいた二人分の紅茶を、課長がビシリと並べていった。他人に指示するだけあって、
紅茶の香りを優雅に楽しみながら、
化粧も髪型も、普段の
「それで、あの」
「確かに、成功しているようですね。ええ、もう、自分で自分を
「え……?」
ふん、と、
「あなたにとっては、そうでもないのでしょうけれど……言わせてください。お久しぶりです、勇者アシャス。女神です」
「まだ直接の確認はしていないが、槍使いも記憶を戻している。勇者とも接触済みだ。どちらも
ミツヒデが魔王っぽく、したり顔で首をめぐらせる。
「え……ええええっ? えええええええええっっ?」
「わっ! なによ、もう、びっくりした! 頭の中で、そんな大声出さないで……」
アシャスの絶叫で、
「あれ? 理事長先生に、ミツヒデ? んん? ここ、会社だよね?」
「……どういうこと、ヘナチョコ?」
「俺が聞きたいよ……」
アシャスと
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