Ⅴ 決意
真夜中の公園の中、レンガで出来た道の上を、一人の若い女性が歩いていた。ライム色のボブカットが、デニムパンツとローファーを履いた足が一歩踏み出す度に軽やかに揺れる。
道の両側の街灯の下を通るたびに、闇の中から浮かび上がるかのように現れるその背中を、付かず離れずの位置から追いかける。ある程度の距離が縮まったところで、私は夜の風を震わすように呼び掛けた。
「レジェモォ」
彼女が瞬時に振り返り、白いロングコートの裾がふわりと浮かび上がる。
淡褐色の両目に殺意を滴らせて、オートマチックの拳銃を構えるレジェモォに、私は被っているハンチングを脱いで、顔を見せた。
「なんだ、ルリオンだったの」
安心したように笑って、レジェモォは拳銃を下ろした。その笑い方に違和感が無いが、彼女の演技力は一流なので、どこまでが本心なのかは分からない。
「驚かしてごめんなさい」
「いいのよ。それより、どうしたの? 仕事の変更?」
小首を傾げたレジェモォに、私は「違うわ」と答える。
「ちょっと、個人的な話をしたくて」
「何? またルキャプルコルヌにカヌレを渡したの? ルール違反だよ?」
レジェモォは、怒ったように口を尖らせる。彼女は組織のルールには厳格だ。ただ、破った相手を告げ口することはないけれど。
「分かった」と頷きながら、そんなことなどどうでもよくなるのにと考えてしまう。
私は、レジェモォに、自分が闇医者から「手術を受けていない」と診断されたこと、この結果を踏まえて、ルキャプリコルヌと共に全員が組織から逃亡する計画を立てていることを説明した。
この話を、レジェモォは無言で聞いていた。彼女の全く動かない表情が、私の不安を駆り立てる。
「……それで、他のメンバーはルキャプリコルヌが説得しているの」
「そう……」
頷きもせず、レジェモォはただそれだけを言った。私は、彼女のことを表情が豊かな方だと思っていたので、この凍り付いてしまったかのような顔を見て、困惑していた。どちらが本当の彼女に近いのだろうか。
嫌な沈黙がしばらく流れた後、レジェモォがゆっくりと瞬きをするように、口を開いた。
「その闇医者は、信頼できるの?」
「え?」
「あなたに対して、嘘をついているのかもしれない」
「それは、ないと思うわ。組織が介入しているのなら、手術を受けていると言ってくるはずよ。もしも、受けていないという嘘をついても、彼には何もメリットがないもの」
「分からないわ。もしかしたら、組織の内部崩壊を狙っているのかも」
「闇医者を紹介したのはルベリエルよ。彼の方を疑っているの?」
「そうじゃないわ。色んな可能性の話をしているだけ。……診断されたのは、ルリオンだけのよね?」
「ええ。ちゃんとレントゲン写真を見たの。証拠として、持ってくることは出来なかったけれど……」
「もしかしたら、私の方は手術を本当に受けているのかもしれない」
「何言っているの? 技術が進化してという話なら、あなたの方が私よりも先に手術を受けていることになるから、矛盾しているわよ」
「でも……例えば……」
レジェモォが堰を切ったように話し出した内容は、辻褄が合わなくて要領を得ず、私は多少苛ついてきた。
「そこまで疑うのなら、一度あなたも検査してもらったら? 私の時とは別の医者を探してもいいから」
「……そうね、その方が手っ取り早いわね」
レジェモォが考え込むようにそう言って、私はほっとした。時間はかかるが、彼女が心から納得するまで、いくらでも待とう、そう思っていた時だった。
「でも、私は、そうしない」
彼女の一言と視線が、つららのように私の胸を突き刺した。
「あなたは今まで、何人を殺した?」
「……二十三人」
「そう。私は、二十八人よ」
レジェモォは、夜空を見上げたので、私もそれに釣られる。
真っ暗闇の中でも、星は僅かに輝いていた。白かったり、赤かったりする光を放っているが、私は一つも星の名前を知らない。
「色んな人がいたわ。犯罪者も、警察官も、普通の人も。相手を油断させる演技をして、銃で撃ったり、毒を盛ったり。時と場合によっては、相手を拷問して、情報を聞き出すこともあった」
「……ええ。私もよ」
「それは、やりたくてやっていたんじゃない。私は手術をされてしまったから、感情を失い、組織に対抗することも出来ないのだから、そうするしかなかった」
「もう、誰も殺さなくていいのよ」
私は、力強く言い切る。
「私たちは、自由になれるのよ」
「自由……自由、ね」
急に、空を見上げていたレジェモォが、大きな口を開けて笑い出した。甲高い声で、長く笑い続けている。
それが落ち着いた時、彼女は大きく両目を開けて、手を広げた。
「自由になって、何をするのよ! 小さい頃から、殺しの全てを教え込まれて、それ以外の道を知らなかった私たちに、何が出来るのよ!」
「……それは、例えば、恋をしたり、結婚したり、子供が出来たり……」
咄嗟にそう答えながらも、「ああ、私は今、心にも無いことを言っている」という自覚があった。世間一般がイメージされる幸せの形をなぞっているだけで、私は、恋とは何なのかを具体的に説明できない。
その事は、あっさりとレジェモォにも見抜かれてしまった。鼻で笑い、私を蔑むように見ながら肩の力を抜いていく。
「私には、耐えられない。私が殺した二十八人を差し置いて、自分だけが幸せになろうなんて出来過ぎたこと、私には、重すぎる……」
ふらふらと、覚束ない足取りで後ろに下がりながら、レジェモォは自分のコートの懐に手を伸ばした。
背筋に氷を当てられたかのように、嫌な予感がした直後、レジェモォは拳銃を取り出した。
「レジェモォ、やめて!」
手を伸ばした私の前で、レジェモォは自分のこめかみに拳銃を当てた。その両目からは、涙が流れ落ちていた。
「ごめんなさい、ルリオン。もう、私には、こうするしかないの」
……穏やかな笑みを浮かべて、レジェモォは引き金を引いた。
私の指先の、数センチ前で、ゆっくりとレジェモォは右へ倒れた。涙はまだ、頬を流れていて、美しく光っている。
腰から力が抜けて、その場に私は座り込んだ。
助けられなかった。むしろ、追い詰めてしまった……。耳の奥で、銃声の残響と共に、そんな言葉が巡っている。
レジェモォの白い顔を、ぼんやりと眺めている。「感情を失い」と言いながら、彼女は泣いていた。笑いもした。
なのにどうして、私は涙の一滴も流れないのだろう……。
「ねえ、」
気付くと、そう虚空に呼びかけていた。
「今、そこにいるの?」
しかし、返ってくるのは、公園内の木々のざわめきだけだった。
死神と、話がしたかった。慰められたいとか、怒ってほしいとかそんな要望もないけれど、私は、彼と言葉を交わしたかった。
◐
レジェモォのGPSが、公園内から全く動いていないため、情報収集係のルヴェルソが確認しに行くと、彼女の遺体を見つけた。右手に拳銃を握っていることから、自殺だと推察された。
何故自殺したのかについては、レジェモォが標的から逆に追い詰められてしまい、組織のことを隠し通すためにやった。組織は、彼女の最期について、そう結論付けた。
「こちらの方から、そういうシナリオになるように誘導した部分もあるわ。まさか、あなたがその瞬間に居合わせていたなんて、想像もしていないみたい」
一晩明けた監視部屋で、私は事の顛末をルキャプリコルヌから説明された。
空気が、重力よりも重く圧し掛かってくるかのようだった。私もルキャプリコルヌも、鏡合わせをしたかのように、沈んだ顔をしている。
「もっと、上手く説得できれば、あんなことには……」
「あまり自分を責めないで。彼女の心は、以前からの仕事で擦り減っていたのよ」
後悔も言い訳も、口にしたところで何もならない。私たちは、何度目か分からない溜息をつく。
ルヴェルソによると、レジェモォの遺体は、組織が回収し、ベースとは違う所へと車で運んで行ったらしい。私たちは、彼女がどこで眠っているかも知らされていない。
「話を変えましょう」
「ええ」
ルキャプリコルヌが背筋を伸ばしてそう宣言したので、私もそれに倣って頷く。
「レポワソン以外の皆には、私から逃亡計画を話したわ。全員、協力するって」
「そう。良かったわ」
「特に、ルベリエルとルヴェルソが一番気合が入っていたの」
「あの二人が?」
私は、情報収集係の二人のことを思い浮かべる。男のルベリエルと女のルヴェルソは、私たちよりも外へ出る機会が多いので、自由への渇望は少ない方だと勝手に思っていた。
するとルキャプリコルヌは、言い難そうに下を向く。
「これは、本人たちがいいって言っていたから話すけど、二人とも、情報収集のために……関係者と体を合わせることも多いみたいで……」
「え」
予想もしていない話に、私は言葉を失ってしまう。
ルキャプリコルヌはますます苦しそうに、頭を抱えながら続けた。
「ルリオンがハニートラップをしているのは、組織の背水の陣だからだと思っていたけれど、二人の話では、第二次性徴が来る前から、ずっとこの方法をしていたみたいで……」
「ルキャプリコルヌも、ルトロも、それは知らなかったの?」
「ええ……。もう私、組織のことを何も信じられない」
彼女は顔を覆い、苦しげな声を出す。
私は、その様子を見ながら、存外冷静だった。これで、組織から逃げなきゃいけない理由が、一層強くなった。
「……あとは、レポワソンの説得ね」
「大丈夫? 昨日の今日だけど」
顔を上げたルキャプリコルヌは、心配そうに私に尋ねる。
「私が行かないと。レジェモォのことも、私から説明しないといけないわ」
今度こそは。そんな思いを秘めて、私は頷いた。
ルキャプリコルヌも、「そう」と小さく頷く。
「今、組織は上から下への大騒ぎだから、ある意味、これ以上のチャンスはないわ。今夜、レポワソンと話してきてくれる?」
「もちろん」
それから、私たちは、レポワソンとどこで落ち合うのかを話し合って決めた。
◐
川からそよぐ風が、絶えず前髪を揺らしている。人影のない、深夜の川辺の遊歩道、柵の向こうに川を臨むベンチに私は座っていた。
闇医者の所から出る時に見た月が、今夜は半分くらいになって、空に浮かんでいる。ぼんやりとそれを眺めていると、右側から足音が聞こえた。
そちらを向くと、街灯に照らされて、首周りにファーの付いたジャケットを着た、格闘家のような体型で、短い金髪に青い瞳の青年が、私の方に軽く手を挙げた。実行役では一番年長者である、レポワソンだった。
私はベンチの左側を勧めたので、彼もそこに腰を下ろす。
「なんだ、こんな時に呼び出して?」
「色々とね」
レポワソンは普段と変わらない様子だが、昨日の今日で、やはり緊張してしまう。
大丈夫だと思いつつ、私はひとまず確認した。
「今、武器とか持っている?」
「持ってねぇよ。そっちの方が都合良かったか?」
「ううん。大丈夫」
一安心した私は、率直に、闇医者の診断からルキャプリコルヌとの逃亡計画のことを話した。
それを全て聞いて、レポソワンはじっと深く考え込んでいた。顎に手を当てて、膝の上で頬杖をついている。取り乱した様子はないが、何を言うのだろうかと、私は固唾を飲んで見守っていた。
「……なんつーか、いきなりすぎる話だな」
「そうね、ちょっと一気に話し過ぎたかも」
「いや、そういう話の内容のことじゃなくて、なんでお前が急に、組織の手術を疑いだしたのか、気になるんだが」
「……前に初めてハニートラップをした時ね。あの嫌悪感は、流石に『感情が取り除かれた』という組織の説明と矛盾していると思ったから」
流石に、仕事の直後に死神から指摘されたからとは言えないので、半分だけ本当の話をして誤魔化す。
デリケートな話なので、レポワソンも「そうか」と返しただけで、それ以上は言及してこなかった。
「この話を、レジェモォにもしたのか?」
「……ええ」
やはり、その話題は避けられない。勘の鋭いレポワソンの質問を、静かに肯定する。
「あいつが死んだのも、その所為か?」
「……私は、殺しの罪に耐えられない、そう言っていたわ」
激しく感情を爆発させていた、レジェモォの一言一言を思い返す。それらの全てが針となって、私に突き刺さったままになっている。
その話を聞いて、レポソワンは舌打ちをした。
「あいつは無責任だ」
「……ちょっと、その言い方はないんじゃない?」
咄嗟に出た言葉は、語尾が強くなっていた。
私には、レジェモォを非難することは出来ない。もしも立場が逆だったら、死んでいたのは、私の方かもしれないのだ。
「今まで信じていたものがひっくり返されたら、誰だって不安定になるわよ。殺人の責任を問われたら、それに押し潰されてしまっても可笑しくないわ」
「なら、俺が今、こうして平然としているのも、組織の教育のお陰ってことか」
「……笑えない冗談はやめて」
おどけて肩を竦めるレポソワンを睨むと、彼は苦笑しながら立ち上がった。そのまま真っ直ぐ歩き出して、川の方へと向かう。
私も慌てて立ち上がり、柵にもたれ掛かった彼の隣に並んだ。
「俺が身を投げると思ったのか?」
「多少ね」
「杞憂だよ」
ひやりとした気持ちを正直に話すと、レポワソンは心外そうに目を細めた。
しばらく、私たちは黙って川を眺めていた。向こう岸に並んだ街灯の光が、水面に落ちて、ゆらゆら動いている。
「七日前、俺がどんな仕事をしたか知ってるか?」
「いいえ」
「とある一軒家に押し込み、夫婦を殺害。五歳の一人娘を連れて帰る」
息を呑んだ一瞬、五歳の夏のあの夜のことが、駆け巡った。
生温かいドアノブ。目出し帽の男たち。両親の死体。兄の最期。薬の匂い。
「……でも、私は監視部屋に行ったけれど、モニターの中にそんな子はいなかったわ」
必死に頭を回転させて、それだけは言えた。ルキャプリコルヌとも、そのような話はしていない。
「地下室にいるんだ。そこへ連れて行けと、指示されているのを聞いた。どうやって入るかは、分からないが」
「地下室……知らなかったわ」
「ルキャプリコルヌも知らないのなら、外側に出入り口があるようだな。……それなら、『手術』の時はどうするんだって話だが」
「手術室にカメラは無かった。きっと、地下室と繋がっているのよ」
「そうか、それなら誰にも知られずに『手術』が出来る」
レポソワンは納得したように頷いて、不意に私の方を見た。
「お前は、ここに連れてこられてから、手術の間のことを覚えているか?」
「あんまり……しばらく期間が空いたと思うけれど、家族が死んだショックが強くて……」
「俺は覚えている。朝、昼、晩、一日の飯が三回ずつ。それが会わせて三十回。つまり、あの地下室に、十日間閉じ込められ」
そう断言したレポワソンに、私は素直に感心した。
「よく覚えているのね。その前に、食事の回数を数えようともしなかったわ」
「昔見たアニメでやってたんだ。檻に入れらた主人公が、食事の数で日数を計算していたのを」
少々恥ずかしそうにしながら、レポワソンは続ける。
「……俺は、両親から虐待されていて、そこから助け出されたと思ったら、孤児院も最悪の環境で。楽しみと言ったら、そのアニメくらいしかなかったくらいだ。やっと見つかった貰い手も、実は組織の奴らで」
「その主人公、檻からは逃げられたの?」
「ああ。仲間が助けに来ていたよ。だから俺も、ずっと想像していた。壁が破壊されて、眩しい光を背負い、誰かが、みじめな俺に手を差し伸べる瞬間を」
レポソワンは、目の前で組まれた自分の手に見入っていた。
「七日前の仕事の時、その家の母親は、自分の娘をかばいながら、銃を構えた俺に言った。『エニーには何もしないで!』……俺は頷き、彼女の胸を撃った。それから、泣き叫ぶ娘に、薬を嗅がせて眠らせた……」
「……」
「最悪だよな。『何もしないで』って約束すら、守れていない」
レポワソンは拳を握り、鉄製の柵に叩き付けた。ガンという振動がこちらに伝わっている間に、自分の手を今一度開き、じっと視線を注ぐ。
「だから俺は、自分の責任を果たす。その娘を、組織から逃がす」
「……」
「汚れた手でも、やれることはあるはずだ」
「ええ。絶対に、成功させましょう」
対岸の道で、車が一台通っていくのが見えた。川を挟んで数十メートルしか離れていないのに、まるで遠い世界のように隔離されている。
あの町では、普通の人たちの営みがある。そこへ皆を戻すことが、今の私にって一番やらなければならないことだと思った。
◐
二人同時に行動していると怪しまれるため、ベースへ行く時間は少しずらすことにした。ベンチに座り直したレポワソンを置いて、まずは私から出発する。
レジェモォが亡くなった公園とは反対方向にある川なので、後始末に追われているスタッフと遭遇する可能性は皆無であったが、念のために道の裏側を通る。
この辺りは閑静な住宅街だったが、時折店があるのを見かける。その中に、白い明かりを石畳に落としている店があった。
近付いてみると、そこは閉店しているが、ショーウィンドウが付きっぱなしになっているようだった。様々なポスターやカレンダーが飾られている。
死神はこういう絵は好きそうだなと思いながら、何とはなしに眺めていると、ある一枚のポスターに出くわした。思わず、「あ」と声が漏れる。
それは、ホテルの中で見たのと同じ画風のライオンだった。ただ、サーカスのテントから飛び出して、こちらの方へ飛び掛かろうとしている。
躍動感のあるそのライオンは、爪を立て、大きく口を開けて牙を見せ、内側から迸るエネルギーを雄叫びとして発散しているかのようだった。
これを見た瞬間に、「あの時のライオンは、こうして自由を手に入れたんだ」とそう考えていた。
自由。その響きに対しては、未だにぴんと来ていない。誰かを愛すること、友人と語り合うこと、楽しい映画を見ること、青空の下を堂々と歩くこと……こういうことではないだろうかという想像は出来るけれど、実感が伴わない。
だけど、このライオンは心から自由になっていた。こんなふうに出来たならと、自然にそう思ってしまう。
「私も、自由になるよ」
ライオンと向き合って、自分の決意を口にしていた。
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