それって大出世じゃない! その2
でもグラノジェルス公爵、
「ちなみに俺が当主になるのが条件だそうだ...親父」
とお兄様はため息混じりでいつも変わらずお花畑でぽやぽや気味なパパに話すわ。
「えー!それはすごい事じゃないか!パパもう引退したいなーって思ってたから丁度いいよ~」
「おい親父...」
子供みたいにはしゃいでるパパに呆れ顔なお兄様。
パパまだ40代だしまだまだ本来なら働き盛りだけど、見た目は子供みたいだし仕事は人が良すぎてポンコツだし...
「うーん、だって今領地の仕事ほとんどシルヴィオがやってるし、僕より威厳があるしねぇ」
うん、確かにパパには威厳のかけらも無いし、むしろお兄様がありすぎ...だからお兄様パパより年上って言われるのよ。
でもまぁそれは兎も角、まぁつまり...
「早くお兄様の結婚相手見つけなきゃね...」
「うっ...」
お兄様があとずさるわ...でも覚悟してもらわなきゃ!
「エステルお姉様の件は残念かもだけど、お兄様この夜会でお相手を見つけなきゃよ!」
強めにお兄様に言うわ、そうでもしなきゃ動かなさそうだし!
「そうだぞ~シルヴィオ」
「ううっ!」
お兄様には気の毒だと思うけど、このままエステルお姉様の事を引きずって相手が見つからなきゃ、サヴェリオ陛下の王命で無理矢理結婚されられかねないもの!
ただでさえ世の御令嬢に『怖い』って逃げられてばかりなお兄様なんだもの、人より更に頑張ってもらわなきゃだわ!
「頑張りましょう!お兄様!」
「うう...なぁ別にティナの子供を一人アルカンタル家の養子にするって言うのも...」
「お兄様!犬猫じゃあるまいし!そんな約束簡単には出来ないわよ!」
確かにエステルお姉様の預言だとディビッドとの間の子供を最低5人は産む事になるらしいけど、それとこれとは別なのよ!
うーんお兄様ったら、切れ者な所があるのにどうしてこうも恋愛だけポンコツなのかしら...
それにイケメンなのにこの悪党顔を何とか出来れば良いんだけども...どうにかイメチェンできないかしらね...うーん。
まじまじとお兄様の顔を見るけど、そうそうこの顔は変えられ無いかも...
今回の夜会でお相手見つからなきゃスタイリストの人でも雇って改造させなきゃかもね。
──────────
※補足として、一般的には貴族の爵位の上げ下げは無い筈ですが、ウルムは領地の広さと重要性で爵位が決まるシステムです、そして陛下の言う事は絶対なのです。
あとグラノジェルス公爵はchapter1のエスタバンことゼパルの件やら闇オークションの参加の件やらで陛下に失望されてとうとう失墜しやがりました。
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