悪魔サロス その3
「さぁ動きを封じたっすよ!王子サマ!装甲をぶっ壊せ!」
「応!」
マキシムが大剣で切りかかると胸付近の硬い金属で覆われたかの様な胸元付近に大きな傷が出来上がる。
「ディビッド!傷を狙え!!!」
「分かりました!」
ディビッドはショットガン化したエクソダス1922の銃口を向け傷口目掛けて引き金を引くと、光る拡散した弾丸が胸元に命中する。
『グォォオオオオオ!』
その痛みでサロスは暴れ始め、両方の腕を固定していたジョナサンとサミュエルをチェーンごと振り回して床に叩きつける。
「痛っ!」
「ぐあっ!」
投げ出され、床に叩きつけられ転がる二人。
ジョナサンはその衝撃で仮面が外れてしまうが、直ぐに拾って仮面を付け直す。
『生意気なぁ!この神サロスに対してっ!』
サロスは怒りに任せて絡む鎖を投げ捨てる。
ディビッドが二人を回復させるためエリアヒールを使用すると、周囲一体が光り二人の傷は癒えていく。
「悪い、油断した!」
「サンキュー坊ちゃん!」
ジョナサンとサミュエルはそのまま立ち上がり、再度構える。
「こんな祝いの席で死人は出したくありませんからねぇ」
とディビッドが意地悪そうにそう言うと、再度銃を構える。
サロスに幾分かダメージを与えたお陰か、装甲の様な皮膚は胸元から腹にかけて裂けており、黒い霧がかなりの勢いで漏れ出ている。
しかし、両手の自由を得られた為に槍を振り回して、そうそう近寄りにくい状態だ。
それに放っておくと、また胸の傷口が元通りになってしまう可能性もある。
「マキシム!守りの双翼をかけるので盾役お願いします!」
「応!」
ディビッドはマキシムに守りの双翼をかけた後、マキシムの背後側に回る。
マキシムは大剣でサロスの振り回す槍攻撃を弾き続けた。
刃物がぶつかり合う金属音が響き渡る。
体格差があるとしても、マキシムは的確に攻撃を跳ね返し、その隙をディビッドは探る。
それを察してかジョナサンとサミュエルも足止めと言わんばかりにチェーンウィップを拾うと、サロスの足へと向けて投げつけその足を絡ませる。
「動きを止めた!ディビッド!今だ!」
その言葉に頷き、サロスの胸元目掛けて銃口を向ける!
『我は勝利の上に勝利を得る者!』
銀色に光り輝く銃身はさらに光り輝く。
『我は神から使わされし『白の射手』!邪悪な者の心臓を撃ち抜く者!』
その引き金を引くと光り輝く弾丸が拡散されて全てサロスの胸元から腹にかけて貫き通す。
『悪魔サロスよ!長きに渡り積み重ねたその罪を償え!』
ディビッドか声を上げて断罪する言葉を放つ。
『バカな!我は滅ぶのか!ウォォォォォォ!』
サロスの断末魔が響きわたる...そしてその身体がだんだん維持できなくなり、黒い霧が大きな音と共に拡散されてぼとり、と元の身体と思われる老人と砕け散った翡翠の石が床に落ちた。
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