初顔合わせ...で良いのかしら?

「その節は本当にベルガモを守って頂き再度感謝します」


パパがお姉様に笑顔でお礼を言ってるわ。


それそこパパとお兄様がベルガモから王都のタウンハウスにやって来てくれたから、お姉様がディビッドと一緒に二人で顔を出したいって話をしたら、まさかその次の日に招く事になったのよ。


今日は二人ともちゃんとした貴族らしいきっちりした姿をしてるわ...まぁパパはいつもの茶色のラウンジスーツで何だか服に着せられた子供みたいだし、お兄様もいつもより落ち着いたスーツ姿なんだけど、兄様の滲み出る悪人っぽい見た目はなかなか和らぐ事はないし、はっきり言うとお兄様の方が年上に見えちゃうのよね...うーん。


「私からも、父と同じく感謝致します」


お兄様なんて普段の柄の悪い感じを全く出す事ない言葉でお礼を言うわ...悪人っぽさはどんなに頑張っても消せないけど...


ちなみに私はラベンダーカラーのちょっと大人っぽいワンピースを着てみたの、この色一応ディビッドの瞳の色を意識してみたの。


それにしてもエステルお姉様、今日は清楚な薄いピンク色のワンピース姿でお淑やかだわ、それにしても色々な姿になっても似合うってすごい!


その横でディビッドもちゃんとした正装を...きっちりとしたダークネイビーのスーツ姿...普段着姿もコックコート姿もいいけどキッチリした姿ってやっぱりカッコいいわね...個人的に一番は司祭服姿だけど。


「いえ、私は大した事をしてませんわ、ふふ」


その笑顔にお兄様が真っ赤になってる...やっぱりお兄様はエステルお姉様の事が好きなのね...


「それにしてもご姉弟共々とてもお綺麗で」


とパパが言うわ、確かに二人とも顔が良すぎてなんかキラキラ光って見えちゃうものねぇ。


「いえそんな」


何だか和やかな感じだわ...まぁエステルお姉様が居ればディビッドは変な事口走ったりしなさそうだしね...


「それにしてもエアヴァルドの方とは...例え裕福だとしてももし結婚という話になれば...」


そうよね...まだウルム国内なら貴族籍を買うなりなんなり出来るけど、エアヴァルドだとまた違うし、それこそ上位貴族が外国の貴族以外で結婚って難しいのよねぇ。


「ああ...実はその件で後から正式なお話があるのですが...」


とエステルお姉様がびっくりするような事を言ったのでみんなで目を丸くするんだけど!


しかもどうやらディビッド本人も驚いてるし...一体どんな手を使ってそんな身分を用意したのかしら

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