準備しなきゃね! その2
「今日は急きょお兄様達が明日やって来るから、お菓子を買いに来たんです」
「あーそうなのね」
結局お姉様と同じテーブルでケーキ頂く事になったわ。
そう言えば今日はディビッドが居ない気がするわ...そもそも付き添い係なマキシムさんもいないわね...
「先生どうぞ」
とジョナサンがウェイター姿でモンブランと紅茶を持ってきてくれたわ。
「そう言えばディビッドは?」
「あー今...聖典のウルム語写本書きの刑の真っ最中...マキシムはサミュエルと昨日飲んだくれで二日酔い中、節度も守れない阿保共は自力で直せだそうです」
「わぁ...」
そうね...いろんな意味で節度は守らないとダメよね...それにしても写本ってどのくらいの量をこなすのかしら、聖典って結構分厚いわよね。
そう言ってモンブランを一口食べる、わぁ美味しいわ!
「本当ケーキ美味しく食べるのね、ティナちゃんかわいいわ」
「甘くて美味しいものは大好きなんです」
そんな会話をしていると2階からディビッドが分厚い紙束を持って降りて来たわ...何だかすごい疲れてるみたいね、頭をがくりと下げて...眠そう。
「姉上...終わりました」
「そう...じゃあ」
とエステルお姉様はディビッドの近くへ行ってその束を受け取ってパラパラと確認し始めるわ。
「チッ...流石我が弟完璧ね、全く間違いがないわ...良いわよゆっくりベッドで寝て来なさい」
「では...ん!」
どうやら私に気がついたのかキラキラした笑顔で此方にやって来るわ。
「どうしたんですか、私を心配して?」
さっきの眠そうな状態が嘘のようね...ちょっと目の下にクマが出来てる気がするけど...
「パパとお兄様が明日やって来るからお菓子を買いに来たのよ、あとお兄様の為にカンノーリを近いうちに作って欲しいの」
「あ!なら喜んで毎日届けますよ~」
とても良い笑顔ね、でも何時に届けにやって来る気なのかしら...
「ディブ...まだ反省足りないのかしら...」
「ち...違いますよ、私は純粋にティナのお父様とお兄様の為にと思いまして!」
ちょっと怪しい感じがするけど...うーん。
「例の件もだけどティナちゃんのご家族とちゃんと対面すべき時だし、私も一緒に行くわ!」
「なっ!」
「ディブ、ティナちゃんと結婚したいんでしょ?なら家族である『私』の事もちゃんと紹介してくれなきゃよね?」
エステルお姉様がふふふ、と妖艶な笑みを浮かべているわ...
「うう...避けて通れないなら...」
ディビッドが何だか嫌な顔をしてるけど、お姉様の言う通りちゃんとした家族の顔合わせは必要よねぇ...
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