何だか眠くなっちゃうわ...
ディナーを終わらせて部屋に戻った後(マキシムさんは自分の滞在してる部屋に戻っていったわ)お風呂に入って、エステルお姉様と二人で大きなベッドで横になりながらたわいの無いお話したの。
エステルお姉様はディビッドも言ってたみたいに、そんなに自由に遊びに行ったり出来ないから、本を読んだりピッピちゃんの目から世の中を見たりしているけど、やっぱり自分自身で体験するって楽しいみたいね。
「ここまで大きな街でお買い物って初めてだから楽しかったわ~」
そんな事を言ってエステルお姉様は寝転びながら背伸びをするわ。
「でもバーレもいい所ですよね?」
「うーん...バーレはどちらかと言うと巡礼者が多くて観光地って感じよ~でも標高が高めだから星空はすごい綺麗に見えるけどね、手に掴めそうな程にね」
「星空が綺麗に見えるなんて素敵ですね」
「そうね、ティナちゃんと一緒に見れたら良いのにね」
エステルお姉様がそう言うけど...ディビッドと一緒になったら一緒に見る機会がある筈なのに?
「エステルお姉様?」
「...なぁに」
「バーレで生活する事になったら是非一緒に星空見に行きましょうね」
そう言うとなんだか寂しそうな笑顔を浮かべて頭を撫でてくれる。
「...ティナちゃんはいい子ね...あの馬鹿のお嫁さんになんて勿体ないくらい」
「私はそんなにいい子じゃないですよ?」
「そんな事ないわよ~いい子いい子」
なんだかママに撫でて貰ってるみたい...あれ...眠くなってきちゃった...
昨日ディビッド達のせいであんまり寝てないせいかも...瞼が...重い...
「ティナちゃんおねむかしら?」
エステルお姉様の声が聞こえるけど...むにゃ...
ーーー
「ゆっくり眠ってね...」
エステルはスゥスゥと眠ってしまったバレンティナのおでこに両手を当てる。
「...うーん、結構ディブにいろいろされてるみたいね、こんなにあの子の気が残ってるなんて気持ち悪っ!何?マーキングでもしてるつもりなのかしら?でもこれでリュシフェル以外の悪魔や邪な者から護られているみたいね...」
ほぼ毎日ディビッドの精を受け入れている為か、かなり気が雁字搦めに絡みついていて、左薬指の契り印に集中しているのが見える。
「それはそれとして何か...『呪い』の原因となるものがあると思うんだけど...」
エステルの手が柔らかい光を放ち、その手を徐々に下へと向けると、心臓部分で止まる。
エステルの目にはバレンティナの心臓部分から黒い糸のようなものが絡んでいるのが見える。
「...ディブの気すら関係なく邪なものが絡んでる...かなり昔からのものね、これは何処に繋がってるのかしら...」
そう言って手を戻して目を閉じる。
『サム...大丈夫?』
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