姉襲来 その8
「でもそれだけとは思えないの...何か見えない『呪い』でもかかっているかもと思って、昔のディブの様に」
「あの身体中の傷の件ですか?」
ディビッドの身体中の傷を思い出す...爪のような物で傷つけられて、場所によっては肉が抉れてしまっている傷だらけの身体を。
「そう、『悪魔の呪い』を受けて一切の回復が受け入れられない身体になったせいで半年苦しんだのよ、何とか呪いを解いたけど身体の傷は自然治癒力で治すしか無かったから残ってしまったのよね、でも心配しないで?あの子あの位の傷なんとも思ってないから」
「え???」
「あの子私そっくりな顔なの結構コンプレックスでね、傷だらけで死にかけた癖に『これで男らしくなれた』って笑ってたのよ!すごい心配したのに!まぁ確かにあの時はっきりと『悪魔を滅ぼす力』を持った事を証明できた瞬間でもあるからあの子にとってはあの身体中の傷は『誇り』みたいなものなんだとは思うけどね」
「そうなんですか...」
確かにもっと男らしい姿になりたかったって言ってたものね、ディビッドは。
「あー話がそれちゃった...ただ不思議な事にティナちゃん自身にその『呪い』がかかっている様には全く見えないから、もしかしたらご家族や身近にいる人物に何かあるのかもしれないわね、ティナちゃんの健康というか生命力を削るような『呪い』がね...」
「え!パパやお兄様がって事ですか」
「んーティナちゃんのお兄さんは、悪魔の誘惑を跳ね除けるくらいの精神力があるから可能性は低いわ、あと使用人の人達も...一度調べておきたいのよねぇ」
「どうやって調べるんですか?」
「ああ、それは...」
とエステルお姉様が話そうとした時にドアがバン!と開かれるわ!
「姉上!!!」
ディビッドが寝間着姿で入ってきたわ!
「チッ...復活したわね、タフなんだから」
ディビッド無事で良かった...でもなんかお姉様舌打ちしたわ...
「あ!ティナ...ティナぁ」
「ピッピちゃん!GO!」
「ギャギャ!ディブピッピちゃん閉じ込めた!ゆるさないギャアアア!」
ディビッドが私を見て抱きつこうとして近づいてくるけど、お姉様がピッピちゃんをけしかけるわ!
ディビッドの頭に止まってガシガシと突っつき攻撃を始めちゃう!きゃあ!
「痛っ!ピッピちゃん!やめてください!」
「ディブ!まず暫くピッピちゃんに突っつかれながら反省してなさい!」
エステルお姉様はそう言ってからこちらに顔を向ける。
「それこそサミュエルが適任と思ってるのよ」
「サミュエルさんを???」
「あの子変装が得意だし、結構何にでも化けられるからね!」
そうエステルお姉様は笑顔で言うけど???誰に化けさせるつもりなの???
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