姉襲来 その7

「んもう!でもディブは反省させなきゃダメだからね」


あの後でエステルお姉様はディビッドを抱えて帰って行ったから心配でフィオーレ・ビアンコへ向かったら変装姿のエステルお姉様が待っていたの。


ちなみにディビッドは今も使用人の人達に介抱されてるみたい...回復させて気絶から復活させるのは簡単らしいけど反省を兼ねてですって...うーん。


「ディビッドの様に上手く入れられなかったですがどうぞ」


ジョナサンが紅茶とクッキーを出してくれるわ。


それにしてもお茶を淹れる腕がかなり上手になったわね、ジョナサン。


「サムも結構悪戯っ子だから後で叱っておくわ、まぁディブのやった事自体は別、それとティナちゃん...貴女自身身体が弱いんだからディビッドに迫られてもそんな簡単に受け入れちゃダメよ?」


「は...はい」


確かについおねだりされると許しちゃうのはいけないわね...ちょっと我慢させる事を覚えてもらわなきゃ!


「あと今回私が来た理由の一つにティナちゃんの身体の弱さの事をちょっと調べたかったからなの」


「え?ただ体質ですよね...」


「いいえ...貴女はあのエルコラーロの奇跡の時、正式に神の預言者として認められたのはわかるわよね」


エステルお姉様は真面目な顔でこちらを見ながら話す。


「あ...あの時のですね」


「本来預言者は神からの加護が受けられるから、身体が弱いなんてあり得ないのよ...私みたいにね」


と言ってお姉様右腕を曲げて力こぶをつくるわ!


確かにお姉様こんな細腕なのに信じられないくらい強いのって、加護のお陰って事なの???


「お姉様が強いのってそう言う事なんですか???」


「まぁそう言う事、先代もそうだったみたいだし、12番目の預言者様もその力で強力な悪魔ダガンやアスモデウスを滅ぼした訳だしね」


「じゃあ何で私はそんなに強く無いのかしら???」


確かに私自身多少は術を使うことはできるけど、ジョナサンみたいに強くもないし、体力があんまり無いし簡単に風邪とかひいちゃうし...まぁ風邪とかはディビッドが回復してくれるから最近は全く風邪ひかなくなったけど。


「本来貴女の一族はトラウゴット教の敬虔な信者だった筈、それこそあのベロニカも祝福故に悪魔の贄にならずに祝福を持っていた筈だから...でも数年の間にそうじゃなくなった」


「お婆様が亡くなってから確かに」


お婆様は敬虔なトラウゴット教信者で私達兄妹をロストックのフラウエン教会への巡礼旅行に連れて行ったりしなかったし。


でもそれきっと貧乏になって巡礼どころか寄付とか出来なくなったせいも...

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