パパ達にバレちゃったのよ

一応あの後のディビッドが目覚めた次の日に、エルコラーロへ向かう事になったの。


お医者様に言わせれば『過労』でもう大丈夫だと判断されてあの後直ぐに退院は出来たけど、心配だから一日だけ休ませてあげて欲しいってお願いしたのよ...


だから屋敷に連れ帰って客室のベッドに寝かせる事にしたの。


「一緒に添い寝して欲しいなぁ...」


ディビッドはそんなわがままを言い出すわ。


「ダメ!エッチな事する気でしょ!今は養生する時間!」


「むぅ...」


「それに...もういろいろとディビッド、貴方との関係パパ達にバレちゃったのよ」


「え!」


「パパは驚いてたけどまぁ喜んでくれたわ...でもアンナは気の迷いって言うし...お兄様はとうに気がついてるし...だからここにいる内にパパとお兄様から話があると思うわ」


「なら結婚の話を!」


とディビッドは笑顔で起き上がって身を乗り出すわ!


「もう!まだ付き合ってるって話だけよ!爛れた関係なんてパパとお兄様にバレたら卒倒するわ!...婚約もしない上エッチな事してたなんて外聞悪すぎだし!」


そもそも最初っから手が早すぎなのよ...もう!


「でもまぁティナは他の男とはもう結婚出来ませんしどっちみち私と結婚するしかないですしね!」


あまりにもいい笑顔...確かに爛れた関係の件も左薬指の契り印の件もあるし...うーん。


「分かると思うけど...貴族の婚約っていうのは、時期を見計らう事とかいろいろあるのよ?上位貴族だと政治的な問題も関係するし...しかも他国籍の貴族籍の無い貴方とだといろいろとね」


「面倒くさいですねぇ...けどまぁ何とかしますけどね」


「???」


と笑顔で言うけど...何とかって一体??


「まぁティナの家族公認なら...」


と腕を掴まれてそのまま抱きしめられちゃう!きゃあ!


「ちょっと!ダメよ!」


「いいじゃないですか」


耳元で囁き、そのままベッドに押し倒されちゃう!


「だからダメって...」


そのままキスされようとした瞬間にドン!と扉が開かれたわ...だから言ったのに...


「姫さま!!!!」


アンナが大声で叫びながらズカズカ入ってきたわ!


「いくら姫様とお付き合いしてたり、ベルガモを救った英雄であってもまだ婚約すらしてない姫様に手を出そうなんてばぁばは許しません!!!!」


と近くにあった銀色のトレーを掴んでディビッドの頭にガツンと殴りかかったわ!


「痛っ!」


頭を抱えるディビッドをよそにアンナは私を引っ張り出して助けて?くれる。


「だから言ったのに...」


そのまま2人きりだと思ってたでしょうけど、部屋の外にはアンナがずっと待っているのを知ってたからダメって言ってたのに。


「さぁさぁこんなケダモノから離れましょう!」


と引っ張られて部屋から出される。


「ティナぁ...」


何だかディビッドの情けない声が聞こえるし、後ろ髪引かれるけど仕方ないわ、自業自得なんだもの...

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