親睦会という名の飲み会は存在するもの
「何でこんな時間まで...」
ディビッドは車の中でぼやく。
何故なら基地から出ると直ぐに軍人達との親睦会と言われて無理矢理連れ出され、シルヴィオと共に酒の席に連れ出された所為だ。
まだ未成年のジョナサンもだが、ディビッドは酒は飲まない...司祭であるから一切飲まないのだ。
因みにマキシムは軍人達とわいわい酒盛りし過ぎて潰れるしジョナサンはその介抱で忙しいし、無駄に酔っ払いの軍の女性に絡まれるし散々である。
「色男めモテまくりだったじゃないか」
ほろ酔い加減のシルヴィオは笑いながらそう言うもディビッドは眉を顰める。
「シルヴィオ様...私は見た目と違って一途なんです」
「そうか、そうかぁ」
ケラケラ笑うシルヴィオ。
ちなみに正面ではもうすぐアルカンタル邸に着く筈だからと、ジョナサンが酔い潰れのマキシムの顔をぱちぱち叩き起こそうとする。
『この酔っ払い!起きろ!』
ジョナサンはエアヴァルド語で起こすも全くダメである。
『ディビッド!この酔っ払いにクリアランスでもかけて酔いを覚ましてくんねぇか?』
「仕方ないですねぇ...マキシムいい気分の所悪いですが」
とディビッドはクリアランスをかけた上でペチンと頭を叩く。
「ん!あれ?」
マキシムは目を覚ます。
「すっかり酔いが覚めましたかね」
「あー勿体ない...」
マキシムは酔いが覚めてしまって残念な顔をする。
「酔い潰れるまでお酒なんて飲むもんじゃあないですよ...」
ディビッドはため息を吐く。
車が止まる感じがする。
「お!着いたな...」
シルヴィオが立ち上がり外へ、それにつられて3人も荷物を持って外に出るとアルカンタル邸前にいる。
「じゃあ入れ、歓迎するぜ」
と屋敷の扉近くのベルを鳴らすと、扉が開く。
「若旦那様、お帰りなさいませ」
と執事と思わしき年配の男性が現れ数人の使用人達がディビッド達の荷物を持つ。
「素敵なお屋敷ですねぇ」
「まぁな、でもちょっと前まで荒れ放題だったんだぜ」
ディビッドの言葉にシルヴィオは帽子を脱ぐと使用人に渡す。
「ティナは流石に寝たか?」
「ええ、お嬢様お疲れみたいでしたからね、起こしましょうか?」
「いや、長い列車の旅だったんだろ...休ませてやれ、客人達に部屋を...」
そうシルヴィオは指示する。
「悪いな、バレンティナはもうおねむのようだからな...色男」
とニヤニヤとシルヴィオはディビッドの肩をぽんぽん叩くとディビッドはがっかりした顔をする。
「わかりました...」
「あとメイド長のアンナはバレンティナを姫様呼ばわりして可愛がっているからな、目ぇつけられない様にしとけよ、五月蝿いからな」
そう言ってシルヴィオは悪い笑顔で自室に戻る、ディビッド達は使用人達に着いて行客室へと向かう事になった。
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