封印式 その1

ディビッド達は軍用車に乗り込む。


それは大型8人乗りのカーキー色の軍用車で運転席より後ろはクローズタイプの荷台を人が乗る様にしたもので、4人は後ろの席へ。


服装は立場を明らかにするためにディビッドとジョナサンは司祭服を、マキシムは赤のサーコートに顔をすっぽり覆う鉄仮面を被り剣を腰に下げた姿になる。


『なぁ...俺、元の姿に戻った方がいいんじゃねぇかな?』


ジョナサンの服に関しては元の2メートルの身長のものを基準としているためどうしてもぶかぶかで腕や足首は捲った状態にあるのでどうしてもみっともないのだ。


『一気に体重も増えてバランスが悪くなるといけないので一度施設に着いてからにした方がいいですよ』


そうディビッドはジョナサンに話す。


「何エアヴァルド語で話してるんだ?」


シルヴィオは眉を顰める。


「ああ、大した事じゃないんで」


「そうか?あと基地では余りウルム語以外話さない方がいいぜ、あそこは国の直轄、俺も部外者みたいなもんだしいろいろ勘繰る奴も多いからな」


そうシルヴィオは腕を組みながら話す。


車が停車したようだ。


「ん?もう着いたか...降りるぞ...」


シルヴィオに続いて降りるとそこは街から離れた場所で元々古代の城塞だった建物を軍施設に改良したような場所だ。


「ここは中継地みたいなもんだからな、実際はここから軍用車で半日かかる場所に施設があるんだ」


門にいる兵士にシルヴィオは何かを見せると兵士達は一礼し中へと門を開く。


「ここなら戻っても大丈夫ですよね?」


「入る前の方がって事考えればですね」


とジョナサンは弱体化解除し、元の姿に戻る。


髪も長く瞳も赤くなり、筋骨隆々の雄々しい約2メートルの巨体へ変化したジョナサンの姿を見てシルヴィオや兵士達が驚く。


「へぇ...面白いな、流石上級異端審問官と言った所か?」


「まぁ彼の本来の姿はコレなんで...あとそんなにウルム語が堪能ではないのであまり話しかけないで下さい」


「ああ」


シルヴィオが返事をし門へ向かう時にジョナサンにディビッドは耳打ちする。


『ジョナサンは黙ってて下さいね...この見た目であの喋り方だとバカにされかねませんから』


『わかった』


ジョナサンはそう言われて同意した。

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