故郷へ その6

ディナーも終わり、4人でサロンで談笑した後部屋に戻り、シャワーと着替えを済ませてベッドへ...


今日はマキシムさんとジョナサンが居るからきっとディビッドの事、部屋から出さないとは思われるし安眠出来るかしら...


ベッドも流石高級ホテル並み、広めだしゆっくり寝られそうね。


───


「マキシムとジョナサンはベッド使って下さい、私は今日はここで寝るんで」


元は2人用の個室に1人分をソファーベッドを追加させて3人で過ごすようにしているので誰かがそこは犠牲になるが、ディビッドが買って出る。


「いいのか?」


「マキシムはベッドじゃないと寝れないでしょうしジョナサンはこんな高級ベッド初めてでしょうからね」


と何故かニコニコと勧める。


「まぁお前がそう言うならそうするが...」


『シャワー終わったぞー!次入れ!』


ジョナサンがシャワー室から出てくる。


「マキシム先どうぞ」


とマキシムにシャワーを勧める。


「ん?まぁ先に使わせてもらおうか...」


とマキシムはシャワー室へ...


マキシムが部屋から居なくなった途端、タオルで頭を拭いてるジョナサンにディビッドは肩を回す。


『ななな何だ???』


「さっきはティナを独り占めしてさぞかし楽しかったでしょ?」


「ヒッ!」


ニコニコしてはいるがディビッドの目は怖い。


「まぁジョナサンが黙ってくれるなら許しますが...」


「ううう...」


ジョナサンはディビッドの数々の報復を思い出し、ゆっくり頷いた。


───


むにゃ...何だか暑苦しいしモゾモゾするし...って!後ろから抱き付かれてるわ!


「きゃあ!」


「あ!起きました?」


薄暗い中振り向くとディビッドが!


「ってディビッド!いつの間に!」


いつの間に忍びこまれて寝てるとか!


「なんでここにいるのよ!」


「だってティナと一緒に寝たかったから」


「どうせエッチな事する為でしょ!ほぼ1週間毎日毎晩エッチしてたのに!」


「私は毎日でも」


と言って首筋にキスをしてくる!


「それに初めての泊まりがけで朝になっても一緒で居られるなんてなかなか無いですからね...今日は時間の心配も無いしゆっくり楽しもうね、ティナ?」


「ゆっくりって...」


「このままヤり続けてそのまま寝ちゃうのも有りかなって」


「え?ちょっと!きゃあ!」


そう言われて結局エッチが続いて、朝2人で抱き合って寝落ちするなんて...安眠がほど遠いわ...ぐすん。


───

まさかの朝チュンなんて恥ずかしい...


目を覚まして起きようにも裸のまんま面と向かった状態でがっちりと抱きついたまま寝てるディビッドが離れないいいい...とにかくシャワー浴びて身綺麗にしたいのに...


もう身体中汗とかいろいろ酷い事になってるし...困ったわ...


「一度なんとか起こした方が良いわよね、ねぇディビッド?ディビッド!起きて!」


ぺちぺちとディビッドの頬を叩いて起こそうと試みる。


「んーまだ眠い...もうちょっと...」


とより一層抱き付かれちゃうし、眠いと言いながらお尻を触り始めたわ!


大体エッチをしようとする時お尻が好きなのか触りたがるんだからぁ!


「朝からはダメ!」


「痛っ!」


流石に不埒な手を抓って起こすわ!もう!


───


「全くお前と言う奴は!」


「痛っ!」


とマキシムさんがディビッドにゲンコツしてるわ...ただ本人機嫌が良いのかニコニコしてるけど...まぁ機嫌が良いでしょうね...あんなにエッチな事した訳だし...


「ごめん...」


ジョナサンはただただ「ごめん」としか言わないし...一体どんな弱みを握られてるのかしら...


何だかジョナサンを脅して(ディビッド本人は協力とは言うけど)ソファーベッドで寝てる風に誤魔化されて、朝マキシムさんが気付いて...的流れみたいね。


朝何とかシャワー浴びて身綺麗にして、汚したベッドも浄化で綺麗にさせて(流石にベッドメイキングの人にこんな酷いの見せられないわよ!)ディビッドに説教をしている時にマキシムさん達がやって来たのよ。


それにしてもニコニコ良い笑顔...反省の色が全く無いんだから!


「もう!本当にエッチでなまぐさなんだから!」


───


朝食もレストランカーで頂くけどディナーほど格式ばってないからみんな簡易的な服よ。


4人で囲めるテーブル席で食事を取る事にしたけどまぁディビッドは横にべったり...もう下手な事したらジョナサンが可哀想になって来たから横に置いとくしか無いわね...ベルガモに来たらパパやお兄様の手前気軽に横に立たせて置けない訳でしょうし...


ちなみに窓側には私とジョナサン、で私の横がディビッドでそれに面してマキシムさんが座っているわ。


朝食を頂きふと窓の外を見る...外の景色が段々変わって海が見えて来たわ!


「イオーゼ海が見えて来たわね...」


ウルムの西に大きく広がるイオーゼ海を見ると懐かしい気持ちになるわね...まぁまだこの先ベルガモまで一日かかるけど。


「景色も良いですがティナこっち向いて下さいよ」


何だか肩に腕を回して来たわ!


「もう!人が感傷に浸ってるのに!」


何だかここずっとディビッド我儘放題ね...やっぱり甘やかすと図に乗るタイプだわ...


うーん...何とかしなきゃ...でも出来るかしら...うーん...





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