故郷へ その4

そんなこんなでいつの間にか夕方に...ディナーの時間を7時にとってたはずだから準備しなきゃ!


ここまで豪華列車だとしっかりドレスコードが付き物だから着替えが必要なのよねぇ。


レストランカーでディナーにと言う訳で3人を締め出して、(ディビッドはマキシムさんと元の姿に戻ったジョナサンが2人がかりで引きずって行かれた)ちゃんとワインレッドのマーメイドドレスに着替えてディナーへ!


廊下へ出るとディビッドとマキシムさんはちゃんとタキシードを身につけてるわ...マキシムさんはまぁ王族だけあって気慣れてる感じだし、ディビッドは本当に何でも似合うんだもの...カッコいいわよね...


でジョナサンの服...それ貴族お坊ちゃんが着るようなチェックのベストと半ズボン...全て子供用...よね...


似合ってる...可愛いくらい似合ってるけど本人の気持ち的には確かに恥ずかしいかもね...本当は私より年上な訳だし。


しかもディビッドとマキシムさん失礼にも笑いを堪えてるわ...


「子供服???」


「この体型だとこれしか無くて...」


「くくっ...似合うから良いじゃあないですか」


『うるせぇ!』


ジョナサンはエアヴァルド語でディビッドに怒る。


「だからって元の姿じゃ何も着れないからなぁ...何かあるかと思って俺の子供時代のお下がり持たせておいて良かった良かった!」


「なんで僕だけ...」


ジョナサン列車の件も服の件もなかなか不憫だわ...


「まぁ仕方ないわよ...ジョナサン行きましょ?マナー教えるから私とディナー楽しみましょ」


ディナーのマナー教えた方が良いと思ってジョナサンを誘うわ、ディビッドは昨日までの件もあるから一緒は無しよ!もう!


「えー私とじゃないんですか!」


ディビッドが不満の声を上げるけどダメ!


「貴方達2人はちゃんと出来るけどジョナサンはそうもいかないもの、もしかしたらこう言う場に立つ事だってあり得るなら訓練も必要よ?」


「僕は別に...」


ジョナサンは遠慮するわ...仕方ないわね。


「もしスザンナとディナーの機会があったら恥ずかい思いするのはジョナサンよ?」


「がんばります!」


ごめんねスザンナ...それにしてもジョナサンやる気に満ちてるわ!


「ジョナサンなんてマキシムに任せれば良いのに」


ディビッドは抗議するわ、もう!


「マキシムさんじゃご飯に夢中になって無理でしょ?」


マキシムさんみたいな人の3倍食べる人じゃ教えるのは無理だし。


「はは!確かにな」


マキシムさんは一本取られたと言わんばかりに笑い出す。


「マキシムはそこ認めるんじゃ無いですよ...全く王族の癖に...」


ディビッドは不満顔で腕を組むわね...もう!我儘何だからちょっとくらい我慢なさい!


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