おまけ エステル様大泣きする

朝から大変な事が起こったわ!


バーレのアルトマイヤー寺院の神殿所で祈りを捧げていた時に急に神託が降りたのよ!


『今からフラウエン教会へ行くように!』って!


だから大急ぎで、ピッピちゃんを肩に乗せてバーレ枢機卿のヘルムートに頼んで列車と馬車を用意して貰って速攻フラウエン教会...バーレからロストックじゃ列車を使ってもほぼ片道3日かかる道のりかけてやって来たのよ...


急遽の話でフラウエン教会の司祭達もてんやわんやらしいけども神託だし仕方ないわ...うん。


で、フラウエン教会の国宝のステンドグラスのある礼拝堂に入った時だったわ...


司祭長や司祭に修道士達が並んで待っていた...そんな事しなくていいのにと思ったその時だった。


一発でわかった...だって私にそっくりすぎるくらいそっくりな男の子が一番端っこにいたんだもの!


死んだはずの弟...12年前に死産とされた男の子で間違いない!神はこの子の為に私をフラウエン教会まで連れ出したのだ!


そしてどうしてそうなったかも同時に分かってしまった...その茶色の髪と紫色の瞳...ああ、母がその色を産んだ為に不義の疑いで父が怒りこの遠い地へ捨てたんだ...と。


しかしこの色は悪魔の呪いから解放された証、特に高名な賢者の血、茶色の髪と紫色の瞳が産まれる可能性が高い事は、冷静になれば分かるはずなのに...


「生きてた!失った子が見つかった!弟が生きていた!うわぁぁぁん!」


弟と思われる少年に駆け寄り抱きつき、わんわん泣き出して、周りは騒然とするし、弟は困惑しているし大変だったけど...


そしてその瞬間...分かってしまった...


彼の未来が断片的に頭の中に入ってくる、そして結論する...


彼こそがハイラント(救い主)の系譜を繋ぐ存在であり、私自身が弟を守り...あの憎き最初の悪魔である『明けの明星リュシフェル』の手により自身の命を落とし、弟にバーレの真の王たる証『セプター オブ バーレ』を継承させる未来を...


ー終ー

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