嫉妬深い恋人 その3

攫われる前に来ていた服を探して貰って、それを着てから家路に着くつもりだったけれど、ディビッドは私をそのままフィオーレ・ビアンコの2階のディビッドの部屋へまるで引っ張って行くように連れて行かれる。


終始ディビッドは黙ったまま...何で?と聞きたかったけど聞けない空気を感じてずっと黙ったまま着いていくしか出来なかった。


「悪いですがジョナサン、ティナと2人だけで話したいから自分の部屋にでも籠っててください」


そう言い捨てるように部屋へ...


『ディビッド!何があった!』


扉の向こうでジョナサンの声が聞こえるけど、ディビッドはそれを無視して後ろから抱きしめられる。


「何でティナがあんな男を庇うんです...」


耳元でそう冷たい声で囁かれる。


「だって...お兄様の親友だから」


あんなに落ち込んでたお兄様を見てられなかったから...


「ティナをずっと色目で見ていた男ですよ」


「でも」


「...そのままサヴェリオ国王に裁かれて、二度と術式封じられて再起不能になれば良いと思ってたのに!」


「そんな!」


「それにティナがああ言えばサヴェリオ国王が動くと思ったんですか?場合によっては処罰されたかもしれないのに!」


「そうかもだけど、黙ってられなくてっ」


「ティナは私だけを見てれば良いんです...」


瞳の色が赤い...まるでルビーのように...ああきっと嫉妬で怒っているのね。


「ディビッド...ごめんなさい...」


「...謝らなくても...今日は帰さない事で帳消しにするだけですからね!」


唇を無理矢理奪われ...服も破かれて...そのまま奪われる様に...暴力的にただ激しくまるで身体に刻み込む様に抱かれたわ...


ごめんなさい...


最後繋がったまま...力一杯抱きしめられて...そう思いながら...苦しくて...段々と気が遠くなる...

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