今日はジョナサンの勉強のお休みの日だけど、ダリオが屋敷にいるみたいだからと街に出歩く事にしたけど...スザンナも居ないし1人で街を見回すのってなんかつまらないわね...

仕方ないから、買ったばかりの小説を持ってカフェで読者しながら時間を潰す事にしたの。

ジョナサンから貰った紐便利だからそれで髪を縛って茶色に変えて、眼鏡かけて変装してね。

...それにしてもなんで恋愛小説なんて買っちゃったのかしら...むむ...

そうね...きっとそう言うやりが取りないまま、すっ飛ばしてディビッドと爛れた仲になったせいかも...

ディビッドはカッコいいし、作ったケーキやお菓子も美味しいし、一緒に居たいし好きだけど、大半がエッチな事ばっかりだし...

うう...思い出したら恥ずかしくなっちゃった。

本を閉じて砂糖とミルクで飲みやすくした珈琲を飲む...うーん苦いわ...

この本みたいに目の前にディビッドが居て普通に話をしたり、デートしたりしたいのかしら...私...

「そう言えば知ってる？」

「え？何何？？」

「最近王都で人攫いがね...」

「あ！知ってる！綺麗な女の子ばかり狙われてるって！気をつけなきゃね」

そんな会話が聞こえてくるわ...何だか物騒ね...嫌だわ...

結局本一冊読み切っちゃったし、公園で散策でもしようかしらとカフェを出る。

公園までの道をちょっと近道にと裏道を歩く...本当は危険だからって話だけど、今日は1人だしフランチェスカの件もあってロッドをこっそり隠し持ってるし大丈夫！うん！

「誰か！助けて！」

女の子の声！ええっ！まさか！

後ろを振り向くと金髪の綺麗な女の子がこちらに向かって走ってくるわ！しかも裸足！

後ろには何だか堅気じゃない男達が女の子を追っているわ！

「こっちに！」

女の子を私の背に誘導した後、スカートに隠しておいたロッドを取り出して構え、術式展開を始める。

『それは地の鎖！動きを止めよ！エールデケッテ！』

男達の動き止める為エールデケッテを発動させ、鎖編み出し動きを止める！

髪を止めてる紐を取って、ミントグリーンの髪色に戻す。

「私はアルカンタル侯の娘バレンティナ！貴方達のやっている事は犯罪よ！」

「くっ！」

「貴女は表に出て憲兵を呼んで！」

女の子はうん、と頷くと走り去る。

「もしかして貴方達なの？例の人攫い？」

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