お兄様と初対面!
結局あの後、数回されてしまってもうかなり日が暮れちゃったわ...酷い...ぐすん。
「かなり遅くなったから送りますよ」
と外へ出てじゃあ、と別れようと思ったらディビッドは私をお姫様抱っこで抱き上げる!
「え?ええ?」
「実は足はすごい早いんですよ~」
と言ってびゅん!と高く飛び上がり屋根から屋根へ駆け巡るわ!
「きゃあああああああ!」
高い所を走って飛んでを繰り返すからディビッドの首に腕を巻きつけしがみつくわ!怖い!
「怖がっちゃって可愛いなぁ」
ディビッドは笑うけど笑えないんですけどぉぉぉ!
───
あっという間にタウンハウスに辿り着いたわ...ただ精神的にはヘロヘロだけど...エッチな事とかも含めて...
「今日は遅くなったのでティナのお兄様にお詫びをしようと思ってましてね」
といつの間にか菓子折りを取り出すわ???
「変な事口走らないでね...」
「ええ」
良い笑顔だけど...信用出来ない所があるのよねぇ...
タウンハウスの扉を開くとピエトロが待っていたわ!
「お嬢様、お帰りなさいませ!ん?」
ピエトロはディビッドを見て首を傾げる。
「あれ???貴方様は...確か???」
「初めまして、バレンティナ様にご贔屓にして頂いておりますパティスリー、フィオーレ・ビアンコのオーナーのディビッドです、あ!これはつまらないものですが...」
とニッコリと一礼して菓子折りをピエトロに渡すわ。
あ!そういえばピエトロ確か私が拐われた時にここに連れて来たのがディビッドだったから、ピエトロは彼の事知ってるのかも!
冷や汗が出そうな状況で今度はシルヴィオお兄様も現れたわ!
「ティナ、随分遅かったね」
お兄様待っていて下さったのかしら?
「お兄様ごめんなさい、いろいろ教えてたら熱があがっちゃって」
「はは、ティナは勉強には本当に熱心な子だったからね...所でお前が例の?」
「次期アルカンタル侯シルヴィオ様ですね、初めまして...ディビッドと申します、我が国の王弟マキシマム様の紹介もありバレンティナ様には大変お世話になっております...」
そう声をかけられてディビッドは深く頭を下げる。
お兄様がディビッドを品定めしてるみたいに、じろじろと見つめるわ...そうひやひやしているとお兄様はニヤリといつもの悪人顔な笑いを浮かべるわ!
「ほぅ...なかなか肝の据わった男だなぁ...このベルガモの腹黒領主と呼ばれる俺を見て全く動じないとは!ははは!」
「お兄様?」
まぁ確かにお兄様は何処となく堅気っぽくない見た目だけど、そんなに怖い方じゃないのに。
「まぁお前が『今の仕事』をしていなければ、俺の元で働いて貰いたいくらいだがな...」
「ご冗談を」
「ふ...まぁいい、これからも我が妹バレンティナと仲良くやってくれ...ただし」
ディビッドの肩をパン!と叩いたわ!
「もし手でも出して泣かせたら、その女泣かせな顔切り刻んでイオーゼ海の魚の餌にしてやるからな...」
とお兄様がディビッドにドスの利かせた声でそんな事を言い出したわ...どうしましょう...ディビッド、貴方お兄様に何度も魚の餌にされちゃうわよ???
「まさか!私みたいな平民に侯爵家のご令嬢とは釣り合えませんよ」
「どうだかな...その顔だ、どんな淑女でも簡単に足を開かせそうだがな」
「いえいえ、それに私は恋愛に関しては一途ですから...ただ私の唯一と思うならば、その唯一は必ず私のモノにはしますがね」
とても自信に満ちた眼差しでお兄様を見るわ...うう...大丈夫かしら...
暫く睨み合いまでじゃないけども、お兄様じーっとディビッドを見つめた後、急に笑い出すわ???
「ははは、面白い男だな、気に入った!ベルガモに用事がある時には俺を頼ればいい、歓迎してやるぞ!さぁティナ...屋敷に入ろう、じゃあな!」
そう言われてタウンハウスに入る様に促される。
「じ...じゃあねディビッド、また明日」
「ええ、お待ちしておりますよ、バレンティナ様」
丁寧なお辞儀をする姿を背に扉が閉じられる。
「さぁ、これから夕食にしよう、ダリオも待っているからな」
何処となくお兄様は機嫌が良い様な気がするわ...
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