悪魔アスタルト その1
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久々の戦闘回!
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天気の良い日には公園であの人気パティシエがクレープ屋を期間限定でやっているという話はまぁあっという間に広まってしまって毎日が大盛況のようね。
まぁ実は作戦だと言う事はあの日の夜に散々責められた後に教えてくれたけど...
「何だか近寄るのも難しいみたいね」
本を買った帰りに(本当についでよ!どうせ今日の夜だってやって来るつもりらしいし!)公園のワゴンを遠巻きに見てそう呟く。
「よぉ!バレンティナ嬢じゃないか!」
マキシムさんがニコニコとやってきたわ!
「うう...マキシムさん」
先回はマキシムさんにノコノコ着いて行った所為で大変な目に遭ってしまったから...うう...
「何だまたディビッドか...仕方ないなぁあいつ...でも下手に何か話するとバレンティナ嬢が大変な目にあいそうだし...すまん」
「何かわかりそうです?」
「まぁ目星はなぁ...」
そんな会話をしているとピッピちゃんが飛んでやってきたわ、チョンとマキシムさんの肩にのってきた、やっぱり可愛いわねぇ。
「ギャ!ティナちゃん!ディブに近づくと危ない!」
「ピッピちゃん???」
「ギャ!ギャ!!遠くに!ギャ!」
ピッピちゃんが騒がしい、まさか...悪魔!
「む...来たか!」
マキシムさんの目付きが変わる、普段着のままとはいえ帯剣をしているからなんとかできるのかしら...
何だか背筋がゾワっとするわ!この嫌な感じ...あのお守りのハート型の石の強くした感じ...あ、そうだわそれこそフールフールやゼパルに対面した時の感覚に近い!
公園に入る1人の女性にとても嫌な感じがするの!
その女性に指差してマキシムさんに言う!
「きっとあの女の人よ!あの石の嫌な感じがするわ!」
「ギャ???わかるの???」
その感じが凄く強くなって来る!
「駄目っ!!!あれじゃあ沢山の女の子達が犠牲になっちゃうわ!」
「あ!バレンティナ嬢!待って!!!」
公園に入ると急に雰囲気が変わる???
「え!あれ???」
「ああ...すまん!入らない様にって忠告しに来ただけだったのに」
あれ?マキシムさんが鎧姿?
「マキシマム様...これを」
すっと異端審問官の1人がやって来て兜と大きな銀色の盾を持って来たわ!
「ああ、すまない...悪いが彼女を頼む、ディビッドの花嫁だ、丁重にな」
「はい...ハイラントに繋がる母の1人となる方...命に変えても...」
「え???」
「異端審問官全員!結界を展開せよ!これから悪魔アスタルト討伐に入る!」
そうマキシムさんは周辺にいる異端審問官全員に指示を出す。
「バレンティナ嬢は兎に角じっとしていてくれよ、今からここは戦場になる、公園周辺に認識阻害術を使った上ここ数日は午後は誰も入れないようにしていたんだ、あいつを誘き寄せるためにな!」
兜を被ったマキシムさんが指差す先の女性...きっと一般の工員で真面目に生きて来たであろうボロボロで地味な印象の女性だわ...
大盾を装着したマキシムさんはそのままその女性の方へ走っていく!
そしてその女性が目指す先にはコックコートではない姿...そう本来の姿である黒と白の司祭服、腕には弓矢のエンブレムがあしらわれた腕章を身につけた姿...どういう訳か椅子に足を組みながら座って新聞片手にアイスティーの入ったコップにストローを使って呑気に飲んでいる。
「やれやれ...やっとお出ましかな」
そう言って立ち上がるとガンベルトから2丁の拳銃を取り出す。
『ディビッド...会いたかったぁ...』
「んー私としては願い下げなんですが、ティナとのデートの為にはねぇ」
左側の銃を向けてその女性の胸付近に打ち込む!
銃声と共にボンっとまるで空気が弾ける様な音と共に女性の身体から黒い霧の様なものが溢れて出る!
その霧が晴れると異様な姿へと変化していた...あえて言うなら真っ白な陶器の女性の形をした人形のよう!
真珠のような虹色に光るも何か嫌な感じで心臓部分が薄らと赤黒いハート型が透けて見え、フワフワと宙に浮いているわ!
「悪魔???」
『アハハハハハ!わたくしは恋愛と繁殖の女神アスタルト!さぁわたくしに貴方の愛を!心臓を頂戴!ディビッドォ!』
「流石に願い下げですね!」
ディビッドは距離を取りアスタルトへ銃口を向け何度も薄らと見える赤黒いハート部分へ撃ち込むが全くヒビすら入らない!
「ディビッド!」
マキシムさんが加勢する、今日は大盾装備でディビッドを守る事に集中する感じなのかしら?
「マキシム、アスタルトに近づくから援護を頼む!」
「了解!」
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