モテる男の一抹の不安
「まぁ何かありますね...」
フィオーレ・ビアンコの一階の壊れた店舗にディビッドとマキシムは立って話をしていた。
「お前もそう思うか」
「ティナは『赤を宿した瞳』持ちです、はっきり言えばアークメイジ級の能力がある術士ですよ、でなければこんなナイフ一本で術式展開なんてできませんもの...そのアークメイジの術を破るって余程の事です...」
デザートを切り分けるただの銀色のナイフを持って眉間に皺を寄せるディビッド。
「じゃあ悪魔絡みの何かが?」
「あの女が何か強化系の違法薬物にでも手を出してるかもしれないので何とも言えませんが...ちょっと最近女性達のやる事が過激になってきている気がするんですよ...」
そう、ここ最近ディビッドの周辺でいろいろ巻き起こっていたのだ。
朝起きて新聞を取ろうとしたら大量のラブレターはまぁ可愛い内で、中には様々な贈り物(全て断っている)を贈られるし、やたらと告白されるし(勿論全て断っている)、挙句の果てにはディビッドが好きだと言ってる女性に横恋慕してる男が殴りかかって(勿論返り討ちにした)きたりとなんだか騒がしいのだ...で今回の件である。
「...お前が普通に笑顔を振りまくせいじゃないか...それ?」
「お客様相手の仕事に笑顔は必要でしょ?普通」
「そうじゃなくてだな...まぁいい、フランチェスカだったっけ、薬物使用と最近の素行を調べたのを俺経由でお前に伝える、お前は少しばかり表に出るな...なんなら暫く教会にでもいろ!」
「教会ですか...嫌だなぁ、ティナに気軽に会いに行けないじゃないですか」
「さっきだってもずっと...いやいい、教会にいたくないとか全く司祭の風上にも置けない奴だなぁ」
何か言いたげだがマキシムはすぐに辞める。まぁ何をしてたかは大体察しているからだ。
「どこに居たっても神を感じる事なんてできるでしょうに...」
「それは神罰使えるレベルだからであって他の人々には目に見えるってのは結構重要なんだよ」
神罰を使えるとは『神を誰よりも信じ身直に感じ、崇拝している』から使用できる奇跡である...そして神に愛されている証拠でもある。
「しかしこんな素行の悪さでも...いやこれ以上は神に対して不敬だな」
マキシムはそう呟く。
「まぁどの道お店は暫く営業休止ですしね...まぁ本来の『仕事』以外は羽でも伸ばしますよ...まぁ姉上が黙って見てるならですがね」
「ああ...こうなんていうか、人のゴシップというか、問題大好きだからなぁ...」
少し話をした後マキシムは借りているホテルへと帰っていく。
「まぁのんびりやりますかね」
そう言って背伸びをして自室へと戻っていった、暫くは使用人にでも買い物に行かせて外に出来るだけ出ないようにと言うマキシムの助言に大人しく従う事にディビッドはした。
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※一抹の不安=エステル様w
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