ストーカー女が現れたわ その5

「ティナ!ティナっ!!!」


憲兵を呼んでくれたスザンナが駆け寄ってくれる。


「スザンナ憲兵連れて来てくれてありがとう」


「ごめんね...私術式使えないし...」


「別に平穏な毎日にこんな力なんてない方がいいのにね...でもそんなに怪我してないから、痛たた...」


「手当てしましょう、ティナ」


ディビッドが駆け寄ってきてお姫様抱っこでヒョイっと抱っこされてしまう!


「大丈夫よ!痛っ!」


実際大怪我だったけどディビッドが回復してくれたから...でも痛い!


「それにクリームやシロップでベタベタな身体のままにもできないでしょ、2階の浴室で綺麗にしないと」


「あ!じゃあ私はティナのお屋敷に行って服一式取りに行ってきます!」


スザンナはそう言って私のタウンハウスへ行ってくれる。


「じゃあ俺は憲兵に例の件話してくる」


マキシムさんはそう言って憲兵達に話をしに行く、きっと最終的に身分を明かして上手いことなんとかするつもりなのかもしれないわ。


「じゃあスタッフの皆さんすみませんが片付けお願いします、扉に関しては大工さんの所から板でも用意して貰って入れない様にしてもらえれば...あと数日休みにしますがお給料の件は心配しないでいいですからね」


ディビッドはそう言ってスタッフに指示を出して二階へ向かう。


「ねぇディビッド、下ろして貰えるかしら?別にそこまで動けない訳じゃないから」


正直恥ずかしいし!


「駄目です、怪我してるんですから」


と言われてそのまま階段を登っていく。


「それにしても...あまり心配させないで下さい...ティナは実際か弱いんですから」


「仕方ないわ、貴族で術式が使用できるなら一般人を守るのは努めだもの...一般人の生活があってその税金があって貴族として生活できるのよ...特に私みたいな『赤が宿る瞳』ならね」


そう、術士の家系でその能力が強く出る際、瞳に赤が宿る...黄色ならオレンジ、茶なら燕脂、青なら紫へ私も薄い色だけど...


「そう言えば貴方も『赤が宿っている』わよね...紫の瞳なんて」


「ああ、先祖に高名な賢者の血が流れているからですね...実は私の一族って本来ティナや姉上みたいな緑髪で薄桃色の瞳で産まれてくるんです...『悪魔の贄の呪い』の色...ただ姉上曰く私は『悪魔の呪いから解放された子』らしいですがね」


そういえばエステルお姉様も私と同じ色だったわ!それにしても、もしディビッドの見た目で私と同じ色...あ!エステルお姉様にそっくりになるだけだわ...姉弟そっくりだったし...

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