ストーカー女が現れたわ その4

「やっぱりロッドじゃないと不利...ならっ!」


守りの壁を私の前に厚く張りそのままフランチェスカに突っ込み別の術式を組み出す。


『それは地の鎖!動きを止めよ!エールデケッテ!』


至近距離で足元から地属性の合成された鎖が生じてフランチェスカに絡みつく、これで動けないはず!


そう思ったけど思った以上にフランチェスカの怪力は強く、鎖をバラバラに引きちぎったわ!!!!


「なっ!」


やっぱりナイフじゃ出力が弱い!


そしてそのまま胸ぐらを掴まれおもいっきり投げ飛ばされる!


「きゃあっ!」


さっきまで談笑していたテーブルに飛ばされてしまう。


テーブルにぶつかってそこに並べられていた食器類はガシャン!と割れた音が響く。


ぶつかった背中がすごく痛い!もしかしたら背中に割れた食器とか刺さってるかも!


「ティナっ!」


ディビッドが駆け寄って抱き寄せすぐにヒールをかけてくれる...でも痛いものは痛いしミルクレープやシロップで身体中がベトベトになってしまったわ...


「ディビッド!何でそんなお金に汚くて婚約破棄された女に優しくするのっ!私というものがありながらっ!」


やっぱりフランチェスカの顔ガーゴイルみたいで怖いわねぇ...痛たた...


「やめろ!」


マキシムさんが叫ぶ。


「私の花嫁に...なんて事を...許せない...」


小さく呟くディビッドの声が低く冷たい...私の為に怒ってる???


「おい馬鹿...本気出すなよ...バレンティナ嬢はお前のためにって!!!!」


ディビッドは優しく私を横にさせた後に勢い良くフランチェスカの方に向かってその長い足で回し蹴りしたわっ!


しかもフランチェスカが店の外に吹っ飛んでいったわよ!!!!!


「女性に手を出すのは紳士として相応しくないですがティナに手を出すなら別ですっ!私のティナになんて事をっ!」


大変っ!めちゃくちゃ怒ってるわ!まるで人を殺しかねないほどよ!!!!


でも何もしてないのに肉体強化された人間をあんな風に吹っ飛ばせるなんてどんな力持ってるのかしら!


「おいっダメだやめろ!」


マキシムさんがディビッドを止めに入る。


「しかしっ!」


「憲兵も来た、今回はあの女が術式を使用しているのを何人も目撃しているから!」


そうしてフランチェスカは憲兵に術式を使用できない様にされた後そのまま連れて行かれてしまったわ...

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