ストーカー女が現れたわ その2
そんな中急に外が騒がしい、何かあったのかしら?
「ん?あーまた来ましたね...困ったなぁ」
「ん?ああ例の件か?まだ対処してなかったのかディビッド」
「何?何かあったの?」
「私のファン?もうストーカーみたいになってる女性がいましてね...ほら」
指差す方を見るとあれ???あれってたしか...
「うわぁフランチェスカじゃない...」
スザンナがあからさまに嫌な顔をする。
オレンジ色の入った金色の髪と濃い藍色な瞳、ぱっと見可愛いんだけど学園の銅像にあったガーゴイルみたいな形相だわ...怖っ!
そう...この騒いでいる女...学園時代同級生だったフランチェスカ ラゴーナ伯爵令嬢...ビビアナもアレだったけどフランチェスカなかなか問題児...簡単に殿方に惚れてしまって妄想で自分と付き合ってるって信じ込む厄介なお花畑思考の娘だったわ!
「ディビッド!開けて!!!私よ!」
「いつの間にフランチェスカと仲良くやってたのかしら...」
うっわ...あんなのに手を出してたの...正直ドン引きよ!
「いえ、ただティナがいない時にたまに店に立って笑顔を向けただけなのに向こうが勝手にですねぇ」
ディビッドは困った顔で頭をぽりぽりと掻く。
「まぁまぁバレンティナ嬢、そこに関してはコイツは白だから...まぁコイツの笑顔でコロッといく女の子達多いのは認めるがなぁ」
ドンドンと戸を叩く音が大きい...まさか!
「ちょっとまずいかも...」
フランチェスカは確か肉体強化系...エンチャントの能力を持ってる筈...そう思った瞬間ガラスの扉が吹っ飛んだわ!
スザンナがいるからきっとディビッド達は本来の力を出して戦う訳にはいかない筈、ならばとナイフをロッドの代わりに持って防御の術式を展開し始める。
本来術式を展開するには術式用のロッドか細い剣が最も好ましいけどない以上はちょっとした刃物で代用するしかないわ。
「みんな私の後ろに!『守りの壁よ我が前に!ディフェンシブ!』」
術式を発動させて防御にあたる!
「スザンナは裏口から憲兵を呼んできて!フランチェスカの馬鹿!きっと力づくでディビットを捕まえようとしてるわ!」
「ティナ!でも」
「急いで!一般人を守るのも貴族の勤めなんだもの、でも長くは無理だから!」
「分かったわ!直ぐに連れてくるから!」
スザンナはそう言って裏口から出て行ってくれた。
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