だって貴方の事が好きなんだもの

そうよ...ただでさえ拐われて戻ってきたばっかりで一晩中エッチな事されたんだったもの!体力は回復させられても精神的にすり減るし寝不足だったしそのせいで倒れただけだわ!


「ふふ、ごめんごめん」


そう言っておでこにキスをしてくる...あれ?それだけ???


「じゃあ、次の定休日一緒にデートするの楽しみにしてますので、昼の2時に迎えに来ますね」


そう言って去って行こうとするディビッドの司祭服の袖をつい掴んでしまった。


「ん?ティナ?」


「...」


恥ずかしくてつい黙ってしまうわ...


「もしかして誘ってくれてます?」


そう言ってベッドの上へ、覆い被さるように乗ってきた。


「...だって...私貴方の事好きだもの...普通に一緒にいて欲しい...」


「ティナ...かわいい...」


そのまま唇同士のキス...舌を絡ませて口の中を蹂躙するようなキスをいつもしてくる...


長い長いキスで何処もかしこも溶けてしまいそう...


ベッドの上で優しく抱きしめられながら、ただ甘い時間を過ごした...



「では、定休日楽しみにしてますね!」


そう言ってまたバルコニーへ続く扉を開ける。


「あとちゃんと鍵かけてくださいね、不届き者が入って来ますから」


「不届き者って貴方でしょ?」


「ふふ、そうですね」


バルコニーに手をかけひょいっと降りて行ってしまう...


「ええっ!」


バルコニーに出て下を見るとニコニコと笑顔で手を振ってそこに立っていた。


「もう!驚かさないで!」


きっと聞こえないかもだけど...去っていく背中を見つめる...さっきまで一緒にいたのに何か寂しい。


「それそこ...惚れた弱みなのかもしれないわ...」


小さく呟く...まぁ近いうちにまた会うだろうけど...どこか寂しい...


部屋に戻ってベッドの上に寝転がり、お見舞いで持ってきてくれたマカロンをひとつ口にする。


「やっぱり美味しいわね...」


まさかデザートで胃袋を掴まされて私自身が美味しく頂かれてしまう事になるなんて...でももういいわ...


だってきっとお金や地位よりも私ディビッドの事が好きになっちゃったんだもの...


ーーー


「おい、どこ行ってたんだ、なんかニヤニヤ気持ち悪いな...」


鎧兜姿のマキシムが繁華街の裏通りの指定の待ち合わせ場所で立っている。


「別にどこ行ってようとプライベートに関しては関係ないでしょ?マキシム」


「ほら、仕事道具まで持ってこいなんて今まで無かったのに...まさかっ!お前バレンティナ嬢の所に???」


ガンベルトとレザージャケットを渡され、司祭服を脱ぎばさりとマキシムの頭にかける。


「おいコラ!」


司祭服のせいで視界が悪くなったマキシムはワタワタする。


「プライベートは秘密ですよ」


ディビッドはウィンクをしてさっとレザージャケットを羽織り、ガンベルトを着けてマキシムから司祭服をシュッと取りそれを羽織る。


「さて...今日は何処に?」


「ここの高級クラブの地下で大規模なデカラビアの開放の為の悪魔崇拝の儀式が行われるらしい...」


「了解...先陣は私が切りますよ」


ディビッドはニヤリと笑ってガンベルトから銃を取り出す。


スタスタとその現場の扉を開けてすぐにディビッドは銃を発砲する。


キャーと女の声が響くがお構い無しだ。


これは今日も騒がしくなるな...とマキシムはその顔を見て思った。


ー終ー


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