惚れた弱みかも知れないわね
なんだか本格的な事件になっていた様だわ、確かに生贄にメイドを10人も殺すなんて酷い事をしたんだもの!裁かれるべきだわ。
「ねぇピエトロ、私いつから眠ってたのかしら」
「そうですね、丸一日ですよ!昨日のお昼近くから今までずーっとでしたからね」
「そう...」
外を見たら日が暮れているわ...
「ああ!そうそう昨日お嬢様を連れて来て下さったその司祭様から手紙を預かっておりました!これを!」
とピエトロから手紙を渡される。
ディビッドの手紙...よね、そう思って封を開けて中の便箋を広げると綺麗な字で文章が書かれている。
ーーー
愛しいティナへ
昨晩は無理をさせて申し訳ありません。
回復させたので心配は無いでしょうが精神的に疲れたと思います、今日はゆっくり身体を休めて下さいね。
そうそう週一回のデートの件ですが次のフィオーレ・ビアンコの定休日にティナと此方の演劇でも鑑賞できればと思いましてチケット用意しました、とても人気と聞いてます。
昼の公演を選びましたので、最後にディナーも一緒にできると嬉しいです。
では次回の定休日楽しみにしてますね。
愛を込めて ディビッド ザイオン バーレ
ーーー
至極まともなデートお誘い、しかもこの演劇すごい人気のある恋愛小説を元にした話のじゃない!
「まともにデートのお誘いだってできるじゃない...」
と思って封筒に便箋を戻そうと思ったら、別なメモを見つける。
ーーー
追伸
昨日激しく愛し合った件でもしかしたら妊娠を気にしてると思いますが婚姻の契りの印を完全にするための儀式でもあったので妊娠は心配しなくて大丈夫ですよ。
まぁちょっと回数多かったので、もしかしたらって事もありますがうっかり妊娠してもちゃんと責任取りますけどね。
あの時のティナが赤ちゃんできちゃうって言ってたのがすっごく可愛かったからつい意地悪してしまってごめんね。
また昨日の夜の様な激しく愛し会える日を願って。
ーーー
「...やっぱりなまぐさはなまぐさだわ...」
次回ちゃんと気をつけないとうっかり食べられちゃうかもしれないわ...もう!
...でもこのなまぐさ司祭ディビッドに絆されてしまった私も私よね...
指輪の様な婚姻の契りの印、見た目は悪く無いけどわかる人はわかる訳だし、どうやって誤魔化そうかしら、本物の指輪でもつければマシになるでしょうけどそれをやったら完全に既婚者に見られちゃう...
ぽすん、とまたベッドに横になる。
「ティナ?」
「え???」
何処からかディビッドの声が聞こえる!
部屋のバルコニーに繋がるガラスの扉の向こうに黒い司祭服のディビッドが立っていた!
「な!」
ここ2階よ!!!!どうやって登って来たのよ!
「鍵かけてないなんて...これじゃあ防犯上危ない」
そう言って部屋に入ってきた!
「ちょ!ちょっと!」
「やっぱりティナが心配になってちょっと覗きに来たんです、目が覚めて良かった」
ベッドまでやってきて私の横に腰をかけてしまう。
「はい、これお見舞いですよ」
と言われ可愛いラッピングされた袋を渡される。
封を開けるとマカロンが何個も入ってた!
「ティナはマカロン好きだから作ってきました、ちょっと心配してたんです、一日中眠ってた様だったから」
「む...ディビッド、貴方が一晩中エッチな事したせいじゃない...きっと寝不足だっただけよ...」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます