素敵なお相手(主に地位とお金)だと思ったのに〜
1時間ほどパパやマキシマム様の従者と数人での話の後『若い2人でごゆっくり』と言われ、マキシマム様と2人でホテルの庭を散策する事になった。
「ああ、やっと2人きりになれたな」
「?」
「実は初めましてじゃないんだよ、聞き覚えないか?俺の声」
うーん確かにあるのよねぇ...ただどうしても顔が思い出せなくて...
「1か月前ダンスパーティーの件...まぁあんなフルアーマー姿じゃ分からんか」
1か月...あのなまぐさ司祭と一緒にいた...
「ああああ!マキシムさん!」
そうだ!フルアーマー姿の騎士!マキシムと呼ばれてた男の声だあ!
「思い出したかバレンティナ嬢、俺は正式にはアルトマイヤー寺院所属の上級異端審問官、『赤の剣』マキシマム ローエン アルトマン、マキシムって呼ばれてるディビッドの相棒だ」
「ええええでも貴方王弟って!」
「ああ一応な!訳アリで14歳から王家から離れてて俺もアルトマイヤー寺院で神殿騎士をしていてなぁ...もう自分が王族とか忘れてしまった!」
「ええ、でもパパ...お父様は貴方その内一代限りの公爵家をって!」
「そんな話もあるにはあるが...預言者エステル様の為にトラウゴットの神に制約をしてるんだ、だからも王族にも貴族にも戻らん」
「ええええ!」
「それにバレンティナ嬢はディビッドの花嫁は確定だし俺は手を出さんよ、今日はいろいろ話をする為にこの場を設けて貰ったんだ...まさかお見合いの程になったのはちょいと不味いが...」
「そ...そんな...」
「すまんなぁ、なんか気合入ってたみたいだったのに」
マキシマム様...いえマキシムさんは頭を掻く。
「うっそぉ...私のホクホク成金生活が...」
「ホクホク成金生活?くくっ!なんだそれ?バレンティナ嬢面白いな!」
はははとマキシムさんは笑い出す。
「む、貴族社会なんてお金と地位があってなんぼよ!左うちわで優雅に贅沢三昧でカフェ周りをしながら余生を過ごしたいのよぉ」
「ははは!恋に夢を見ないなんて若いお嬢さんとは思えないな!」
そんな話をしながら東屋まで歩くと見覚えのある例の男が立っていた。
「あーやっぱり来たかぁ...」
マキシムさんは苦笑する、そこには司祭服姿のディビッドがムスッとした顔で腕組みしながら仁王立ちしていた...
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