第8話「クエスト」
セナはプラティークから出したディスプレイを見ながら、
ランク、ジョーカーのクエストを探していた。
いいクエストが見つかったのか、
にっこりとセナは微笑んでる。
「まずは魔物を倒しに行こう。
スライム討伐十体、これがちょうどいいかも」
「スライム討伐か〜おう、わかった!」
「うん、じゃあ行こうか!」
俺達は冒険者サイトから、スライム討伐のクエストを申請した。
そして、俺たちはビニ町を出た。
ビニ町を出て、すぐ近くの草原地帯へと向かった。
その草原は良い風が吹き、
晴ればれとした緑は輝いていた。
ここはランクがジョーカーの狩場でもある。
早速、俺の目の前には魔物がいた。
スイカサイズの丸いぶよぶよドロドロとした。
全身が水色の魔物、スライムだ。
「あれがスライムか。これはイメージ通りだな」
「スライムは最下級の魔物で誰もが最初に通る魔物だよ。
こっちに振り向かせるから、次は
「おう、わかった!」
「振り向け!!! 〝
セナは中級闇魔法を唱えた。
その威嚇魔法により、すぐさまスライムは此方を向き。
二体のスライムがセナの方へ向かって跳ねている。
そして、体当たりをしようとしていた。
「守れ! 〝
──俺はセナの前に障壁を出した。
二体のスライムが一生懸命に障壁にぶつかっている。
なんて可愛らしい姿だ。
「いい感じだね〜空間把握もいいね!
じゃあ倒すよ! 〝
セナの魔法から炎の槍が出現した。
炎の槍は二体のスライムを燃やし尽して、絶命させた。
スピア系の魔法はスタンダードで誰もが習う魔法みたいだ。
中級魔法に該当するらしい。
まぁ、俺は使えないのだが。
「セナ、すごいなぁ〜スライムが瞬殺だ!!」
「褒めてくれてありがとうね!
アイテムボックスを確認して見よう〜何かあるかもなのだよ!!」
セナにそう促されて。
俺はプラティークからディスプレイを出し。
アイテムボックスを確認した。
「やったぁ!! クリスタが二つある」
「僕の方は何もなしだね」
しかし、ドロップアイテムは魔物が絶命すると、
こんなにも早くアイテムボックスに自動分配されるのか。
ちゃんとアイテムの名称も記載されており。
わかりやすい。
「じゃあ、次いでにドロップアイテムについて教えるね。
クリスタはドロップをするのは本当に稀なのだよ」
「そうなのか」
セナの話だと、この世界で稼ぐ方法。
絶命している魔物をアイテムボックスにしまい、
ギルドで解体してもらいそのまま売る。
もしくは絶命している魔物から、
それをギルドに売る。
そのドロップアイテムは二つある。
素材アイテム、通称シード。
魔物の命の結晶、通称クリスタ、この二つが存在する。
「じゃあ、ギルドでシード売ってみるかな!
ありがとうなセナ!」
「えっへん!」
セナは銀色の綺麗な髪を靡かせ。
ニコニコした顔で俺を見ている。
セナはすごいな同い年なのに、
魔法も多数使えて、しかも博識だ。
だが、やっぱり支援職は少し寂しい。
前衛やセナみたいに魔法で攻撃して魔物を倒してみたい。
「じ────また考え事かな? 僕は分かるんだよ!」
「……まぁ、ちょっとな」
俺が考えているのを気づいてか、
セナは綺麗な蒼眼でジッと見つめ、頬を膨らませていた。
──徐ろに遠くの方を見つめ。
セナは少し離れたスライムに向かって魔法を唱えた。
「見てて!! 〝
セナの魔法から氷の槍が出現した。
氷の槍は少し離れた所に居た。
スライムを突き抜け絶命させた。
──俺は突然の事に目を丸くした。
「すごい──遠くのスライムまであっという間に倒した」
「これは氷の魔法だよ。魔法は六属性が主体。
でも、派生魔法って言われる魔法が存在するのだよ。
今のは水魔法から」
「氷魔法、あれが、そうなのか」
「派生魔法は使える人はかなり少ないし、そして、魔力量が多くないと使えない。
けど、もし光魔法から派生魔法を作ることが出来れば、攻撃魔法ができるかもだよ!」
そうか、セナは俺のことを気づかって……。
わざわざ、氷魔法を見せたのか。
だが、ギルドで知ったように、
魔力量が少ない俺にできるのか、そんな事が。
俺は俯きながら少し考えていた。
「そんなことで諦めないよね? 僕の弟子だもん!」
セナは俺の瞳を見つめ、すかさず俺を励ました。
そんな事、言われたらやるしかないよな。
俺は気合いが入った。
「おう当たり前だ! すごい魔法を考えてやる!!」
「ふふふっさすが!!
でも、闇魔法と光魔法は派生はまだ確認されてないみたいだよ!
頑張って! フォローするから」
「でもやってやるよ!!」
「うん!」
セナの笑顔はとても印象に残った。
俺は師匠に恥じない、
ちゃんとした弟子に成ろうと感じていた。
その後、俺達はスライム討伐を開始した。
スライムが一箇所に何体もいたので、
探さずにしてすぐに終わった。
俺は
あっという間で呆気なかった。
---
俺達はスライムの討伐を終えて、
ビニ町へと帰ろうとしていた。
──帰る途中。
セナは突然。
中級光魔法の
フォースは周辺の個体数など確認ができる。
魔力量が多いとその能力と範囲は変わる。
この魔法でセナはタクロウに出会えたのである。
セナはスライムの討伐が思った以上に早く終わり。
気になって魔法を行使した。
それは近くに他の群れが居て。
此方にスライムが移動していたからである。
それを気づく鋭さを持っているセナ。
「急にだけど──近くで人が魔物に襲われている。
どうする?」
唐突にセナは険しい表情を見せながら。
俺に指示を仰いだ。
俺はその言葉を汲み取りながら言う。
俺が助けられた様に他の人も助けたいと思いながら。
「──近くに?! 魔物に襲われているのか!
なら? 俺たちで助けれるなら行こう!!」
「うん、大丈夫! 僕が指一本触れさせないから」
「ありがとうセナ!!」
俺は覚悟と共にその場所へ向かった。
これがひとつの選択であり運命である。
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