第16話 生後9ヶ月編⑥
この宿での滞在は、僕にとって、大いに収穫があった。おしゃべり好きで可愛いいもの好きな女中さん達が入れ替わり立ち替わり、ママの相手をしに来る。僕は「お師様」としてママに助言しながら、この世界の常識とか、奴隷やお貴族様のところじゃ得られない情報を随分ゲットできた。
この世界、まさにゲームみたいな世界らしい。魔法があるのは知っていたが、魔物もいる。獣人にドワーフ、エルフがいる。特に人種の違いで差別とかはないけど、国によっては人種の片寄りがあるから、肩身の狭い場合もある、らしい。
らしい、と言うのは、行商人や冒険者でもない限り、自分の産まれた国を出ることはほとんどない、かららしい。国どころか、産まれた村や町から出ることがない人も、たくさんいるんだって。交通網も移動手段も発達してないから、当然といえば当然かな?
それにしても冒険者、か。あるんだね。女中さん達は、あまり詳しくないらしいけど。普通の人は接点がないんだって。よくお話しでは、簡単な家の仕事とか清掃とか手伝う仕事、みたいなことを冒険者がやる、というのがあるけど、それは「よろずや」という別の職業らしいよ。「冒険者なんだから冒険するのが仕事じゃないの?」て不思議そうに答えてくれたよ。うん、確かにそうか。
てことで、一般人のイメージ的には、町中で色々やるのがよろずやで、塀の外まで出かけていって色々やるのが冒険者、という感じの認識らしい。実際の住み分けは、わからないけど、よろずやが冒険者になったり、その逆に冒険者がよろずやになる、というのは多々あるとのこと。どっちもどうやってなるかは、女中さん達じゃわからないとのことで、このあたり、要研究事項、かな?なんでかって?そりゃ、こんな世界にきたら、冒険者目指すのがお約束でしょ?ママと奴隷(もどき)を脱出したら、是非とも目指したい職業だ。
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