第7話 生後半年編①

 季節が流れ、やっと座れるようになった。少し前に自力で寝返りだってうてるようになってる。

 コレは大きい。視界が平面から立体になった。赤ちゃんの座高分とはいえ、仕入れられる情報は段違いだ。そろそろ何とか移動手段を手に入れられればいいんだけど。赤ちゃんだとハイハイか。思って座らされた状態や寝返り打ってうつぶせの状態から何とかハイハイポーズ取ろうと頑張ってるんだが、想像以上に頭が重く、腕力がない。腹筋背筋もいるのかなぁ。何とか鍛えなくては。筋トレする赤ちゃん。う~ん、我ながらシュールだ。

 そんなことを思いながら、手足を上下に上げ下げしたり、お腹やお尻の穴にぎゅっと力を入れたりと、とりあえずできることをこっそりやっている。このぐらいなら、赤ちゃんが暴れてる、ぐらいに見える、よね?


 それはそうと、僕の父親がなんとなくわかってきた。ものすごく不本意な結果である。

 5の日になると、子供を産めるようになった女の子が、どこかに連れて行かれるんだ。

 5の日というのは、どうやらここの暦の言い方みたい。おそらく春夏秋冬に分け、それをさらに始め、中、終わりに分ける。それぞれが10日。時折余りの日と呼ばれる日が加わる。

 で、今日は冬の始まりの5の日。翻訳するとそんな感じ。

 5の日になると、お昼頃、こちら側じゃない人が何人かやってくる。いつも来る人よりも、良いものを着てる気がする。そして前の5日までに初めてシルシがあった少女を、お屋敷に祝福の為にお招きされる、のだそうだ。幸多き少女は、この時、神より子供を授かる、のだそう。そんな風にやってきた人の一番偉そうなオバサンが、口上を述べる。これが5日の毎回の儀式?だ。

 そして、僕のママもこうして僕を授かったそうだ。羨ましいだろう、と、言わんばかりの表情で、今回の犠牲者を見回すオバサン。

 ハン!何のことはない。僕のパパは間違いなく「お屋敷」の主かその近辺の人間てことだよね。気分悪い。

 ちなみに、僕のパパはあっち側の人間でも、家畜の子は家畜。家畜が増えるイコール財産が増える。よくやった!とお褒めの言葉と、スポーツドリンク作成に使ったジャムが送られて終了!僕の親はママだけなのです。ハーっ、何ツー世界だろ・・・

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